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企業法務

起業塾42:インターネット販売の基礎12(インターネット販売とその他の広告規制)

先週まで、特定商品取引法の規制をみてきましたが、このほかにも、広告に関する規制として、消費者契約法や景品表示法(不当景品類および不当表示防止法等があります。

 

消費者契約法は、消費者が契約を勧誘されている際に、事業者の不適切な行為があった場合、消費者に契約を取り消すことを認めたり、契約書に消費者の権利を不当に害する条項が記載されていた場合に、当該条項を無効とする等、消費者を保護する法律です。

 

たとえば、事業者が重要事項について事実と異なることを告げたことで、消費者が、当該告げられた内容を事実であると誤認して、それによって契約の申込み等の意思表示をしたときは、これを取り消すことができます。

 

また、景品表示法は、商品・サービスの内容等について、実際のものまたは競争事業者にかかるものよりも著しく優良または有利であると一般消費者に誤認される場合には、景品表示法上の不当表示として禁止されています。

 

このような消費者契約法や景品表示法の広告規制は、インターネット販売においても適用され、これらの規制に違反した場合は行政処分や罰則の適用を受けることになります。

 

したがって、インターネット販売を行う事業者は、特定商取引法の規制だけでなく、消費者契約法や景品表示法の広告規制にも従わなければなりません。

 

以上のとおり、インターネット販売を行うにあたっては、気を付けなければならない法的規制が多々あります。

思わぬところで足元をすくわれないよう、インターネット販売を行う際は、事前に法的規制を調査しておくことをお勧めします。

(弁護士 國安耕太)

 

※「法律を学び、攻めの経営を! 第7回企業法務セミナー※インターネット販売の落とし穴編」を開催いたします。

開催日時:6月21日(水)18:30~21:00(18:15開場)

場所:レアルセミナールーム 新宿区西新宿1-3-13 Zenkan Plaza2 7F

対象:経営者、総務・法務担当者

定員:20名(1社2名様まで。定員になり次第締め切らせていただきます。受付にてお名刺2枚をご提出ください。)

参加費:8000円

*席数に限りがありますので、参加をご希望の方は、お問い合わせください。

 

※下記の日程で経営者勉強会を開催いたします。定員少数のため満席の場合はご容赦ください。

 

第12回経営者勉強会

日時:平成29年7月11日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネットと特定商取引法等(第11回と同内容です。)

参加費(昼食代):1500円

 

 

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起業塾41:インターネット販売の基礎11(インターネット販売と特定商品取引法2)

本日のテーマは、前回に引き続き、インターネット販売と特定商取引法です。

インターネット販売は、特定商品取引上の通信販売に該当するため、インターネット販売を行う事業者は、特定商取引法の規制に従う義務があります。

 

たとえば、インターネット販売を行う事業者は、

(ア)商品等の販売価格、送料

(イ)商品・指定権利の売買契約の申込みの撤回・売買契約の解除に関する事項

(ウ)販売業者等の氏名、住所と電話番号

等の事項を表示しなければなりません(特定商品取引法8条、施行規則8条)。

 

また、広告をするときに商品の性能・品質・効能等の事項について、

(ア)著しく事実に相違する表示をしたり、

(イ) 実際のものよりも著しく優良・有利であると誤認させるような表示

をしてはならないとされています(特定商品取引法12条、施行規則11条)。

 

さらに、商品等の販売条件等について、原則として、その相手方となる者の承諾を得ないで電子メール広告をしてはならないとされています(特定商品取引法12条の3)。

 

このように、インターネット販売を行うにあたっては、特定商取引法の規制を熟知しておかなければなりません。

 

知らず知らずのうちに、この規制に違反していた、というようなことがないよう注意してください。

(弁護士 國安耕太)

 

※「法律を学び、攻めの経営を! 第7回企業法務セミナー※インターネット販売の落とし穴編」を開催いたします。

開催日時:6月21日(水)18:30~21:00(18:15開場)

場所:レアルセミナールーム 新宿区西新宿1-3-13 Zenkan Plaza2 7F

対象:経営者、総務・法務担当者

定員:20名(1社2名様まで。定員になり次第締め切らせていただきます。受付にてお名刺2枚をご提出ください。)

参加費:8000円

*席数に限りがありますので、参加をご希望の方は、お問い合わせください。

 

※下記の日程で経営者勉強会を開催いたします。定員少数のため満席の場合はご容赦ください。

 

第12回経営者勉強会

日時:平成29年7月11日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネットと特定商取引法等(第11回と同内容です。)

参加費(昼食代):1500円

 

 

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起業塾40:インターネット販売の基礎10(インターネット販売と特定商品取引法1)

本日のテーマは、インターネット販売と特定商取引法です。

 

みなさん、特定商取引法(特定商取引に関する法律)という法律はご存知でしょうか。

 

特定商取引法は、特定商取引、すなわち、(1)訪問販売、(2)通信販売および(3)電話勧誘販売に係る取引、(4)連鎖販売取引、(5)特定継続的役務提供に係る取引、(6)業務提供誘引販売取引ならびに(7)訪問購入に係る取引を規制する法律です(1条*1)。

 

このうち、(2)通信販売とは、販売業者等が、郵便等によって売買契約等の申込みを受けて行う商品の販売等のことをいい、郵便や電話機、ファクシミリ装置のほか、情報処理に用いられる機器を利用する方法が含まれることから(特定商品取引法2条2項*2、施行規則2条2号*3)、インターネット販売も、これに該当します。

 

このため、インターネット販売を行う事業者は、特定商取引法の規制に従う義務があり、違反した場合は行政処分や罰則の適用を受けることになります。

 

すなわち、インターネット上で商品等を販売する事業者は、特定商取引法の規制に従って、

①一定事項を表示しなければならず(11条)、また、

②誇大広告が禁止されている(12条)ほか、

③承諾をしていない者に対する電子メール広告の提供が禁止される(12条の3)

等の規制を受けることになります。

 

各規制の詳細については、次週以降でみていくことにします。

(弁護士 國安耕太)

 

*1 特定商品取引法1条

「この法律は、特定商取引(訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売に係る取引、連鎖販売取引、特定継続的役務提供に係る取引、業務提供誘引販売取引並びに訪問購入に係る取引をいう。以下同じ。)を公正にし、及び購入者等が受けることのある損害の防止を図ることにより、購入者等の利益を保護し、あわせて商品等の流通及び役務の提供を適正かつ円滑にし、もつて国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。」

 

*2 特定商品取引法2条2項

『「通信販売」とは、販売業者又は役務提供事業者が郵便その他の主務省令で定める方法(以下「郵便等」という。)により売買契約又は役務提供契約の申込みを受けて行う商品若しくは指定権利の販売又は役務の提供であつて電話勧誘販売に該当しないものをいう。』

 

*3 特定商品取引法施行規則2条2号

「法第二条第二項 の主務省令で定める方法は、次の各号に掲げるものとする。

二 電話機、ファクシミリ装置その他の通信機器又は情報処理の用に供する機器を利用する方法」

 

※「法律を学び、攻めの経営を! 第7回企業法務セミナー※インターネット販売の落とし穴編」を開催いたします。

開催日時:6月21日(水)18:30~21:00(18:15開場)

場所:レアルセミナールーム 新宿区西新宿1-3-13 Zenkan Plaza2 7F

対象:経営者、総務・法務担当者

定員:20名(1社2名様まで。定員になり次第締め切らせていただきます。受付にてお名刺2枚をご提出ください。)

参加費:8000円

*席数に限りがありますので、参加をご希望の方は、お問い合わせください。

 

※下記の日程で経営者勉強会を開催いたします。定員少数のため満席の場合はご容赦ください。

 

第12回経営者勉強会

日時:平成29年7月11日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネットと特定商取引法等(第11回と同内容です。)

参加費(昼食代):1500円

 

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起業塾39:インターネット販売の基礎9(インターネット販売と商標権3)

さて、商標権のラストです。

これまで商標権に関する一般的な話をしてきましたが、今回は、インターネット販売で特に気を付けなければならない点について、解説します。

 

商標権の効力は、一定の場合に制限されています(商標法26条1項)。

たとえば、自社名と同じ会社名が他人によって登録されてしまった場合に、自社名を使用することが出来なくなってしまうと、自社は営業活動をすることが出来なくなってしまいます。

そこで、「自己の名称を普通に用いられる方法で表示する」場合には、商標権の効力は及びません(商標法26条1項1号)。

 

このほか、判例上認められた制限もあります。

その1つが、用尽(消尽)論です。

用尽論は、一旦商標権者によって販売等拡布された商品についての商標権は、以後の商品の再譲渡や再販売等については及ばないという理論のことです。

この考え方は、裁判例上も支持されていますが、注意しなければならないのは、    たとえ商標権者から購入した真正商品であっても、これに別途の行為を及ぼした場合には、商標権侵害となる場合があるということです。

たとえば、真正商品を購入してきて、これを小分けし、詰め替えた物に同じ登録商標や類似商標を付して販売する行為は、商標権侵害となります(大阪地判昭和51年8月4日、大阪地判平成6年2月24日等)。

 

また、並行輸入にも注意しなければなりません。

並行輸入とは、知的財産権者が、外国で製造した真正商品の輸入に関し、当該権利者の総代理店等のルートがあるにもかかわらず、知的財産権者より外国の市場に置かれた商品を現地で購入したうえで、総代理店等を通さずに輸入することをいいます。

しかし、商標法上は、我が国の登録商標の指定商品と同一の商品に、登録商標と同一の商標を付したものを輸入し、国内で販売する行為は、商標権者の許諾がない限り、商権侵害となります(商標法2条3項・25条)。

 

適法な並行輸入となるよう気を付けなければなりません。

 

このようにインターネット販売をするにあたっては、商標法上の規制にも注意する必要があります。

(弁護士 國安耕太)

 

※「法律を学び、攻めの経営を! 第7回企業法務セミナー※インターネット販売の落とし穴編」を開催いたします。

開催日時:6月21日(水)18:30~21:00(18:15開場)

場所:レアルセミナールーム 新宿区西新宿1-3-13 Zenkan Plaza2 7F

対象:経営者、総務・法務担当者

定員:20名(1社2名様まで。定員になり次第締め切らせていただきます。受付にてお名刺2枚をご提出ください。)

参加費:8000円

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※下記の日程で経営者勉強会を開催いたします。定員少数のため満席の場合はご容赦ください。

 

第11回経営者勉強会

日時:平成29年6月6日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネットと特定商取引法

参加費(昼食代):1500円

 

第12回経営者勉強会

日時:平成29年7月11日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネットと特定商取引法(第11回と同内容です。)

参加費(昼食代):1500円

 

 

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起業塾38:インターネット販売の基礎8(インターネット販売と商標権2)

さて、先週に引き続き商標権です。

 

先週お伝えしたとおり、商標権者等は、自己の登録商標と同一または類似の標章を使用する者に対し、差止請求(商標法36条)等をすることができます。

 

では、商標の同一性または類似性の判断は、どのように行えばいいのでしょうか。

 

この点に関して、判例は、

「商品に使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべく、しかもその商品の取引の実情を明らかにしうるかぎり、その具体的な取引状況に基づいて判断する」(最判昭和43年2月27日、民集22巻2号399頁、氷山印事件)

 

「複数の構成部分を組み合わせた結合商標と解されるものについて、商標の構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは、その部分が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などを除き、許されない」最判平成20年9月8日、判時2021号92頁、つつみのおひなっこや事件)

としています。

 

ポイントは、

(1)外観、観念、称呼という3つの要素を考慮して類似性を判断する

(2)その商品の取引の実情を明らかにしうるかぎり、その具体的な取引状況に基づいて判断する

(3)一部を抽出し、その一部だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは、許されない

という3点です。

 

ただ、明らかに似ていないものであればともかく、実際に類似性を判断することは、非常に難しいと思いますので、迷ったときは、弁護士・弁理士といった専門家に相談することをお勧めします。

(弁護士 國安耕太)

 

※「法律を学び、攻めの経営を! 第7回企業法務セミナー※インターネット販売の落とし穴編」を開催いたします。

開催日時:6月21日(水)18:30~21:00(18:15開場)

場所:レアルセミナールーム 新宿区西新宿1-3-13 Zenkan Plaza2 7F

対象:経営者、総務・法務担当者

定員:20名(1社2名様まで。定員になり次第締め切らせていただきます。受付にてお名刺2枚をご提出ください。)

参加費:8000円

*席数に限りがありますので、参加をご希望の方は、お問い合わせください。

 

※下記の日程で経営者勉強会を開催いたします。定員少数のため満席の場合はご容赦ください。

 

第11回経営者勉強会

日時:平成29年6月6日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネットと特定商取引法

参加費(昼食代):1500円

 

第12回経営者勉強会

日時:平成29年7月11日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネットと特定商取引法(第11回と同内容です。)

参加費(昼食代):1500円

 

 

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起業塾37:インターネット販売の基礎7(インターネット販売と商標権1)

さて、先週まで、著作権をみてきましたが、今回からは、商標権です。

インターネット販売を行う場合、著作権と共に問題となってくるのが、この商標権です。

 

商標法は、商標権者は、登録商標の使用をする権利を専有する(商標法25条本文)と定めています(この専有できる権利を、専用権といいます。)。

そして、かかる専用権の効果として、他人が登録商標と同一の標章を使用することを禁止できる、すなわち排他的独占権が認められています。

 

また、商標法は、商標を使用する専用権の範囲に入る行為ではないが、その範囲に他人が入り込む蓋然性の高い行為を捉えて侵害とみなし、その行為を禁止する権利を認めています(商標法37条1号)。

すなわち、登録商標に類似する標章の使用も禁止することができます。

 

さらに、侵害の予備的行為も侵害とみなして、その行為を禁止する権利を認めています(商標法37条2号等)。

したがって、第三者が権原なく、これらの行為をした場合、商標権侵害に該当します。

 

そして、商標権侵害がなされた場合、商標権者等は、差止請求(商標法36条)、損害賠償請求(民法709条)、信用回復請求(商標法39条、特許法106条)等をすることが認められています。

 

そのため、何らかの標章を使用する際は、当該標章が登録されていないか、調べておいた方が無難です。

 

また、自社のブランド戦略として、社名や商品名、インターネットサイトの名称等の商標権を取得する、ということも検討してみても良いと思います。

(弁護士 國安耕太)

 

※「法律を学び、攻めの経営を! 第7回企業法務セミナー※インターネット販売の落とし穴編」を開催いたします。

開催日時:6月21日(水)18:30~21:00(18:15開場)

場所:レアルセミナールーム 新宿区西新宿1-3-13 Zenkan Plaza2 7F

対象:経営者、総務・法務担当者

定員:20名(1社2名様まで。定員になり次第締め切らせていただきます。受付にてお名刺2枚をご提出ください。)

参加費:8000円

*席数に限りがありますので、参加をご希望の方は、お問い合わせください。

 

※下記の日程で経営者勉強会を開催いたします。定員少数のため満席の場合はご容赦ください。

 

第10回経営者勉強会

日時:平成29年5月23日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネットと著作権(第9回と同内容です。)

参加費(昼食代):1500円

 

第11回経営者勉強会

日時:平成29年6月6日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネットと特定商取引法

参加費(昼食代):1500円

 

第12回経営者勉強会

日時:平成29年7月11日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネットと特定商取引法

参加費(昼食代):1500円

 

 

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起業塾36:インターネット販売の基礎6(インターネット販売と著作権3)

前回、前々回に引き続き、著作権についてです。

 

前々回、少し触れましたが、一定の場合には著作権者の許諾なく著作物を利用することができます(著作権法30条以下)。

この中でも特に問題となるのが引用(著作権法32条)です。

 

条文上、引用は、

「公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。」(著作権法32条1項)

と規定されています。

 

ところが、最高裁(最判昭和55年3月28日、民集34巻3号244頁、パロディ事件)は、条文上明示されていない明瞭区分性と主従関係という2つの要件を用いており、この2つの要件と条文上の文言との関係は必ずしも明らかではなく、学説も錯綜しています。

 

一つの考え方は、「引用」(32条1項)といえるためには、①公表された著作物であること、②公正な慣行に合致するものであること(明瞭区分性と主従関係)、③報道、批評、研究その他の目的上正当な範囲内でなされること、が必要であるとするものです。

 

ただ、このように引用にあたるかは、一律に判断することができません。

そのため、安易に引用にあたると判断して、著作権者に無断で他人の著作物を利用するのは非常に危険です。

 

引用をする場合には、このくらいは大丈夫だろうと自己判断せず、きちんと相談することをお勧めします。

(弁護士 國安耕太)

 

※「法律を学び、攻めの経営を! 第7回企業法務セミナー※インターネット販売の落とし穴編」を開催いたします。

開催日時:6月21日(水)18:30~21:00(18:15開場)

場所:レアルセミナールーム 新宿区西新宿1-3-13 Zenkan Plaza2 7F

対象:経営者、総務・法務担当者

定員:20名(1社2名様まで。定員になり次第締め切らせていただきます。受付にてお名刺2枚をご提出ください。)

参加費:8000円

*席数に限りがありますので、参加をご希望の方は、お問い合わせください。

 

※下記の日程で経営者勉強会を開催いたします。定員少数のため満席の場合はご容赦ください。

 

第8回経営者勉強会

日時:平成29年4月18日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネット上のオンライン契約について(第7回と同内容です。)

参加費(昼食代):1500円

 

第9回経営者勉強会

日時:平成29年5月9日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネットと著作権

参加費(昼食代):1500円

 

第10回経営者勉強会

日時:平成29年5月23日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネットと著作権(第9回と同内容です。)

参加費(昼食代):1500円

 

第11回経営者勉強会

日時:平成29年6月6日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネットと特定商取引法

参加費(昼食代):1500円

 

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起業塾35:インターネット販売の基礎5(インターネット販売と著作権2)

前回に引き続き、著作権についてです。

 

著作権法上、著作者とは、著作物を創作する者をいい(著作権法2条1項2号)、著作者は、著作者人格権(著作権法18条1項、19条1項及び20条1項に規定する権利)および著作財産権(著作権法21条から28条までに規定する権利)を享有する(著作権法17条1項)とされています。

 

したがって、著作権者の許諾なく、著作物を利用する行為は、著作権侵害となるのが原則です(ただし、一定の場合には著作権者の許諾なく著作物を利用することができます。著作権法30条以下)。

 

そして、著作権は、複製権、上演権等の複数の権利の束(これらひとつひとつの権利を「支分権」といいます。)で構成されています。すなわち、各権利は、個別の独立した権利として存在しているということです。

 

たとえば、著作権者から、複製の許諾を得ていたとしても、ホームページにアップロード(送信可能化、自動公衆送信)するためには、別途その旨の許諾が必要となります。もし、ホームページにアップロード(送信可能化、自動公衆送信)するための許諾を得ていないのであれば、それは、著作権者の許諾なく、著作物を利用する行為となり、著作権侵害となってしまいます。

 

同様に、音楽の著作物について、演奏の許諾を得ても、その演奏を録音・録画するためには、別途複製について許諾が必要ということになります。

 

なお、支分権のうち、インターネット販売との関係で、最も問題となりやすいのは、㋐複製権(著作権法21条、2条1項15号)と㋑翻案権(著作権法27条)という2つの支分権です。

①既存の著作物と全く同一の作品を作出した場合や、②既存の著作物に修正増減を加えているが、その修正増減について創作性が認められない場合は、㋐複製権の侵害になり、③既存の著作物の修正増減に創作性が認められるが、原著作物の表現形式の本質的な特徴が失われるに至っていない場合は、㋑翻案権の侵害となります。

 

このため、他の販売サイトに記載されている商品説明をそのままコピーしたり、多少表現を変更しただけで使用することは、㋐複製権または㋑翻案権の侵害になる可能性が高いです。

 

したがって、このような行為は、極力避けるべきであるといえます。

(弁護士 國安耕太)

 

※「法律を学び、攻めの経営を! 第7回企業法務セミナー※インターネット販売の落とし穴編」を開催いたします。

開催日時:6月21日(水)18:30~21:00(18:15開場)

場所:レアルセミナールーム 新宿区西新宿1-3-13 Zenkan Plaza2 7F

対象:経営者、総務・法務担当者

定員:20名(1社2名様まで。定員になり次第締め切らせていただきます。受付にてお名刺2枚をご提出ください。)

参加費:8000円

*席数に限りがありますので、参加をご希望の方は、お問い合わせください。

 

※下記の日程で経営者勉強会を開催いたします。定員少数のため満席の場合はご容赦ください。

 

第9回経営者勉強会

日時:平成29年5月9日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネットと著作権

参加費(昼食代):1500円

 

第10回経営者勉強会

日時:平成29年5月23日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネットと著作権(第9回と同内容です。)

参加費(昼食代):1500円

 

第11回経営者勉強会

日時:平成29年6月6日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネットと特定商取引法

参加費(昼食代):1500円

 

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起業塾34:インターネット販売の基礎4(インターネット販売と著作権1)

インターネット販売を行う場合、販売のためのウェブサイトを作成することになります。

もちろん、自社のホームページを活用する場合や、楽天のようなインターネット上のショッピングモールで販売する場合等その形態は様々であるとは思います。

しかし、いずれの場合でも著作権に関する知識は欠かせません。

 

たとえば、商品を販売する際に、カタログ写真をコピーして載せることができるのか、他の販売サイトに記載されている商品説明をそのまま使用できるのか、商品の写真に第三者の著作物が写り込んでいた場合どうなるのか等、インターネット販売を行う際には、著作権が関連してきます。

 

では、そもそも著作権とは、どのような権利なのでしょうか。

 

著作権法は、主として著作物に関する規律を定めた法律です。

すなわち、著作物の創作者である著作者に「著作者の権利」(著作者人格権および著作権)を定めることによって、著作者の利益を保護するものです。

 

つぎに、「著作物」とは一体なんなのでしょうか?

 

著作権法上、著作物とは、思想または感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術または音楽の範囲に属するものをいう(著作権法2条1項1号)とされています。

「思想または感情」の表現であることが要求されていますから、思想・感情を表現したものとはいえないもの、単なる事実やデータは著作物にはあたりません。

したがって、たとえば、列車の時刻表や料金表は著作物にはあたりません。

 

また、「創作的な」表現でなければなりませんから、表現が平凡、かつありふれたものである場合には、創作性が否定される場合があります。

したがって、たとえば、機械の部品などのカタログ写真は、機械のメカニズムを利用して被写体を忠実に再製しただけにすぎず、著作物にはあたりません。

 

したがって、商品を販売する際に、カタログ写真をコピーして載せたとしても、著作権侵害となる可能性は低いでしょう。

(弁護士 國安耕太)

 

※「法律を学び、攻めの経営を! 第7回企業法務セミナー※インターネット販売の落とし穴編」を開催いたします。

開催日時:6月21日(水)18:30~21:00(18:15開場)

場所:レアルセミナールーム 新宿区西新宿1-3-13 Zenkan Plaza2 7F

対象:経営者、総務・法務担当者

定員:20名(1社2名様まで。定員になり次第締め切らせていただきます。受付にてお名刺2枚をご提出ください。)

参加費:8000円

*席数に限りがありますので、参加をご希望の方は、お問い合わせください。

 

※下記の日程で経営者勉強会を開催いたします。定員少数のため満席の場合はご容赦ください。

 

第8回経営者勉強会

日時:平成29年4月18日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネット上のオンライン契約について(第7回と同内容です。)

参加費(昼食代):1500円

 

第9回経営者勉強会

日時:平成29年5月9日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネットと著作権

参加費(昼食代):1500円

 

第10回経営者勉強会

日時:平成29年5月23日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネットと著作権(第9回と同内容です。)

参加費(昼食代):1500円

 

第11回経営者勉強会

日時:平成29年6月6日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネットと特定商取引法

参加費(昼食代):1500円

 

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起業塾33:インターネット販売の基礎3

前回、前々回と、インターネット販売に特有の契約の成立に関する問題をみてきました。

このほかにも、インターネット販売に関しては、通常の取引とは異なる電子商取引特有の規定が設けられていることがあります。

特に注意しなければならない規定として、電子契約法3条があります。

 

「民法第九十五条ただし書の規定は、消費者が行う電子消費者契約の申込又はその承諾の意思表示について、その電子消費者契約の要素に錯誤があった場合であって、当該錯誤が次のいずれかに該当するときは、適用しない。ただし、当該電子消費者契約の相手方である事業者(その委託を受けた者を含む。以下同じ。)が、当該申込又はその承諾の意思表示に際して、電磁的方法によりその映像面を介して、その消費者の申込若しくはその承諾の意思表示を行う意思の有無について確認を求める措置を講じた場合又はその消費者から当該事業者に対して当該措置を講ずる必要がない旨の意思の表明があった場合は、この限りでない。

一 消費者がその使用する電子計算機を用いて送信した時に当該事業者との間で電子消費者契約の申込又はその承諾の意思表示を行う意思がなかったとき。

二 消費者がその使用する電子計算機を用いて送信した時に当該電子消費者契約の申込又はその承諾の意思表示と異なる内容の意思表示を行う意思があったとき。」

 

これだけ読んでも、なにをいっているのかよくわからないかもしれません、

この規定は、要するに、

(1)消費者が申込を行う前に、消費者の申込内容等を確認する措置を事業者側が講じた場合、または消費者自らが確認措置が不要である旨意思の表明をした場合を除き、

(2)操作ミスによる消費者の申込の意思表示は無効となる

ということを明らかにしています。

 

つまり、(1)の場合を除き、後々、消費者から、

「あれは誤操作だった」(全く申込みを行う意思がないにもかかわらず、操作を誤って申込みを行ってしまった)、「あれは契約内容を勘違いしていた」(操作を誤って申込みの内容を入力してしまったにもかかわらず、それを訂正しないままに内心の意思と異なる内容の申込みであると表示から推断される表示行為を行ってしまったような場合)として、契約の無効を主張されてしまう危険性がある、ということです。

 

したがって、インターネット販売を行う場合は、このような問題が生じないよう、きちんと消費者の申込内容等を確認する措置を講じておく必要があります。

(弁護士 國安耕太)

 

※「法律を学び、攻めの経営を! 第7回企業法務セミナー※インターネット販売の落とし穴編」を開催いたします。

開催日時:6月21日(水)18:30~21:00(18:15開場)

場所:レアルセミナールーム 新宿区西新宿1-3-13 Zenkan Plaza2 7F

対象:経営者、総務・法務担当者

定員:20名(1社2名様まで。定員になり次第締め切らせていただきます。受付にてお名刺2枚をご提出ください。)

参加費:8000円

*席数に限りがありますので、参加をご希望の方は、お問い合わせください。

 

※下記の日程で経営者勉強会を開催いたします。定員少数のため満席の場合はご容赦ください。

 

第8回経営者勉強会

日時:平成29年4月18日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネット上のオンライン契約について(第7回と同内容です。)

参加費(昼食代):1500円

 

第9回経営者勉強会

日時:平成29年5月9日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネットと著作権

参加費(昼食代):1500円

 

第10回経営者勉強会

日時:平成29年5月23日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネットと著作権(第9回と同内容です。)

参加費(昼食代):1500円

 

第11回経営者勉強会

日時:平成29年6月6日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネットと特定商取引法

参加費(昼食代):1500円

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起業塾32:インターネット販売の基礎2

前回、契約は、申込の意思表示と、承諾の意思表示の合致によって成立するということを例にとり、インターネット販売では、店舗での販売とは異なった配慮が求められるため、注意が必要であるという話をしました。

 

その際には触れなかったのですが、実は、法律上、承諾の意思表示の効力発生時期に関する規定があります。

 

まず、隔地者に対する意思表示は、「その通知が相手方に到達した時」から効力が生じます(民法97条1項)。

 

ただし、こと契約に関しては、「承諾の通知を発した時」に効力が生じるとされています(民法526条1項)。

 

したがって、郵送で契約を締結する場合、承諾の通知の発信時に契約が成立することになります。

これが大原則です。

 

ところが、電子消費者契約および電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律(電子契約法電)4条は、「民法第五百二十六条第一項および第五百二十七条の規定は、隔地者間の契約において電子承諾通知を発する場合については、適用しない。」と定めています。

そのため、電子商取引の場合は、承諾の通知の到達時に契約が成立することになります。

 

通常、この違いが大きな問題となることはありませんが、契約の成否が争われた場合等には問題となりうるところですから、インターネット販売を行う方は覚えておくとよいでしょう。

(弁護士 國安耕太)

 

※「法律を学び、攻めの経営を! 第7回企業法務セミナー※インターネット販売の落とし穴編」を開催いたします。

 

開催日時:6月21日(水)18:30~21:00(18:15開場)

場所:レアルセミナールーム 新宿区西新宿1-3-13 Zenkan Plaza2 7F

対象:経営者、総務・法務担当者

定員:20名(1社2名様まで。定員になり次第締め切らせていただきます。受付にてお名刺2枚をご提出ください。)

参加費:8000円

*席数に限りがありますので、参加をご希望の方は、お問い合わせください。

 

※下記の日程で経営者勉強会を開催いたします。定員少数のため満席の場合はご容赦ください。

 

第8回経営者勉強会

日時:平成29年4月18日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネット上のオンライン契約について(第7回と同内容です。)

参加費(昼食代):1500円

 

第9回経営者勉強会

日時:平成29年5月9日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネットと著作権

参加費(昼食代):1500円

 

第10回経営者勉強会

日時:平成29年5月23日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネットと著作権(第9回と同内容です。)

参加費(昼食代):1500円

 

第11回経営者勉強会

日時:平成29年6月6日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネットと特定商取引法

参加費(昼食代):1500円

 

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起業塾31:インターネット販売の基礎1

契約は、申込の意思表示と、承諾の意思表示の合致により、成立します。

 

申込の意思表示、というのがわかりにくいかもしれませんが、買主の立場からすれば、これが欲しいです、売ってください、と相手方に申し込むことが申込の意思表示になります。

これに対し、いいですよ、売りますよ、と買主である相手方に答えることが、承諾の意思表示です。

 

コンビニで買い物をする場合を例にとると、棚から商品を手に取ってレジに持っていく行為が申込の意思表示で、店員がこれをバーコードリーダーで読み込む行為が承諾の意思表示ということになるでしょう。

 

では、インターネット販売では、何が申込の意思表示または承諾の意思表示となるのでしょうか。

 

まず、申込の意思表示ですが、これはわかりやすいと思います。

購入者が、購入ボタンを押す行為です。

 

つぎに承諾の意思表示ですが、たとえば、販売店が、注文を承諾したという内容の返信メールを送信した場合は、承諾の意思表示となるでしょう。

 

ただ、この場合、もし商品の在庫がなかったら、成立した売買契約の不履行となってしまいます。

 

そのため、たとえばアマゾンでは、注文を承諾したという内容の返信メールではなく、あくまでも注文を受領したことを確認するだけにすぎないものであることを明記した返信メールを送信し、返信メールが承諾の意思表示ではないことを明記しています。

 

このようにインターネット販売では、店舗での販売とは異なった配慮が求められるため、注意が必要です。

(弁護士 國安耕太)

 

※「法律を学び、攻めの経営を! 第7回企業法務セミナー※インターネット販売の落とし穴編」を開催いたします。

 

開催日時:6月21日(水)18:30~21:00(18:15開場)

場所:レアルセミナールーム 新宿区西新宿1-3-13 Zenkan Plaza2 7F

対象:経営者、総務・法務担当者

定員:20名(1社2名様まで。定員になり次第締め切らせていただきます。受付にてお名刺2枚をご提出ください。)

参加費:8000円

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※下記の日程で経営者勉強会を開催いたします。定員少数のため満席の場合はご容赦ください。

 

第7回経営者勉強会

日時:平成29年4月4日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネット上のオンライン契約について

参加費(昼食代):1500円

 

第8回経営者勉強会

日時:平成29年4月18日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネット上のオンライン契約について(第7回と同内容です。)

参加費(昼食代):1500円

 

第9回経営者勉強会

日時:平成29年5月9日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネットと著作権

参加費(昼食代):1500円

 

第10回経営者勉強会

日時:平成29年5月23日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネットと著作権

参加費(昼食代):1500円

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起業塾30:情報管理4(情報漏えいを起こした者に対する責任追及)

情報管理の最終回は、情報漏えいを起こした者に対する責任追及です。

 

情報漏えいを起こした者に対しては、

①民事上の責任追及

②刑事上の責任追及

③懲戒処分(従業員の場合)

という3つの責任追及をすることが考えられます。

 

まず、①民事上の責任追及ですが、漏えい者が、故意または過失によって、情報漏えいを起こした場合、会社は、当該漏えい者に対し、債務不履行または不法行為を理由に損害賠償請求をすることができます。

 

つぎに、②刑事上の責任追及ですが、たとえば、漏えい者が情報を記録していた媒体を不法に領得した場合、窃盗罪(刑法235条)や業務上横領罪(刑法253条)に該当します。

 

したがって、漏えい者が、故意または過失によって、情報漏えいを起こした場合、会社は、当該漏えい者に対し、警察に被害届を出したり、告訴をする等して、刑事責任を追及することが考えられます。

 

最後に、漏えい者が従業員であったような場合、会社は、就業規則に基づいて、③懲戒処分をすることが考えられます。

この場合、故意・過失や、行為態様、情報流出の規模や会社への影響等を勘案して、処分を検討することになります。

 

以上のとおり、情報漏えいを起こした者に対しては、①民事上の責任追及、②刑事上の責任追及、③懲戒処分(従業員の場合)という3つの責任追及をすることが考えられます。

 

ただ、やはり漏えいを起こしたことの責任追及をするよりも、日頃からきちんと、漏えいが起きないような情報管理体制を整備していただければ幸いです。

(弁護士 國安耕太)

 

*第6回企業法務セミナーを開催いたします。

『あなたの知識が会社を守る!情報管理の基本を習得し、万全な対策を!』

※情報管理の基本 情報漏えいリスクとその対策編

開催日時:3月16日(木)18:30~21:00(18:15開場)

場所:レアルセミナールーム 新宿区西新宿1-3-13 Zenkan Plaza2 7F

対象:経営者、総務・法務担当者

定員:20名(1社2名様まで。定員になり次第締め切らせていただきます。受付にてお名刺2枚をご提出ください。)

参加費:8000円

申込・お問合わせ先:アミエージェンシー(株)セミナー事務局 担当:井上 TEL03-5940-3450

 

※下記の日程で経営者勉強会を開催いたします。定員少数のため満席の場合はご容赦ください。

*第6回経営者勉強会

日時:平成29年3月28日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:秘密保持契約とは(第5回と同内容となります。)

参加費(昼食代):1500円

 

*第7回経営者勉強会

日時:平成29年4月4日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネット上のオンライン契約について

参加費(昼食代):1500円

 

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起業塾29:情報管理3(情報漏えいのリスク3)

前回、残念ながら情報管理がうまくいかず、情報漏えいを起こしてしまった場合、金銭的な損失を迫られたり、評判・信用の低下が起きてしまう可能性についてお伝えしました。

今回は、漏えいした情報が個人情報であったような場合に、これらに加えてさらに刑事罰を受ける可能性があります。

 

個人情報保護法上、「個人情報取扱事業者は、その取り扱う個人データの漏えい、滅失又はき損の防止その他の個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。」とされています(20条)。

 

また、個人情報取扱事業者は、従業員や委託先に個人データを取り扱わせるにあたっては、これら安全管理措置として、従業員や委託先に対しても、必要かつ適切な監督を行うことが義務付けられています(個人情報保護法21条、22条)。

 

したがって、たとえば、会社が保管していた個人情報を従業員が正当な理由なく漏えいしてしまった場合には、会社は、その従業員に対する個人情報保護法上の安全管理措置の監督義務に違反したとして、個人情報保護委員会の勧告・命令(個人情報保護法34条)の対象となる可能性があります。

 

そして、この命令に違反した場合は、「六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する」とされています(個人情報保護法74条)。

 

このように、情報漏えいが起きた場合、会社は民事上の責任だけでなく、刑事上の責任まで負わなければならない可能性があるのです。

(弁護士 國安耕太)

 

*第6回企業法務セミナーを開催いたします。

『あなたの知識が会社を守る!情報管理の基本を習得し、万全な対策を!』

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開催日時:3月16日(木)18:30~21:00(18:15開場)

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対象:経営者、総務・法務担当者

定員:20名(1社2名様まで。定員になり次第締め切らせていただきます。受付にてお名刺2枚をご提出ください。)

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*第6回経営者勉強会

日時:平成29年3月28日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:秘密保持契約とは(第5回と同内容となります。)

参加費(昼食代):1500円

 

*第7回経営者勉強会

日時:平成29年4月4日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネット上のオンライン契約について

参加費(昼食代):1500円

 

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起業塾28:情報管理2(情報漏えいのリスク2)

今回は、残念ながら情報管理がうまくいかず、情報漏えいを起こしてしまった場合についてです。

 

2014年に起きたベネッセの個人情報流出事件のほかにも、個人情報が漏えいした事案は多数存在します。

 

たとえば、電気通信サービス事業者が保有していた、会員約450万人分の個人情報が外部に漏えいした事案では、情報漏えいの被害者から訴訟を提起され、1人あたり5500円の損害賠償義務が認められました(大阪高判平成19年6月21日(判タ1230号227頁)。

 

この事案は、外部から不正アクセスされ、会員の個人情報が外部に漏洩したというものですが、裁判所は、会社側に外部からの不正アクセスを防止するための相当な措置を講ずべき注意義務を怠った過失があり、当該過失により不正取得を防ぐことができなかったのであるから、情報漏えいの被害者に対し、その損害を賠償する義務があると判断しました。

 

この事案は、外部から不正アクセスされた事案であり、会社は不正アクセスを行った者との関係では、いわば被害者ともいえる立場ですが、情報漏えいの際は、責任を負わされ、金銭的な損失を迫られてしまうのです。

 

そして、さらに、レピュテーションリスク、評判・信用の低下による影響は計り知れません。

 

このように、情報漏洩によって、会社は甚大な損害を被ることがありうるのです。

また、理論的には、取締役個人としても賠償責任を負う可能性があります。

 

会社としては、自社の従業員や取引先との間で適正に情報を管理するだけでなく、外部からの不正アクセスを防止するための相当な措置を講じる義務を負っていることに注意が必要です。

(弁護士 國安耕太)

 

*第6回企業法務セミナーを開催いたします。

『あなたの知識が会社を守る!情報管理の基本を習得し、万全な対策を!』

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*第6回経営者勉強会

日時:平成29年3月28日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:秘密保持契約とは(第5回と同内容となります。)

参加費(昼食代):1500円

 

*第7回経営者勉強会

日時:平成29年4月4日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネット上のオンライン契約について

参加費(昼食代):1500円

 

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起業塾27:情報管理1(情報漏えいのリスク1)

前回まで、秘密情報の管理についてお伝えしてきました。

ただ、いかに管理をしっかりしなければならないといっても、実際、情報漏えい事故はどのくらい起きているのでしょうか。

 

少し古い情報ですが、消費者庁が公表している「平成25年度 個人情報の保護に関する法律施行状況の概要」(平成26年10月)によれば、ここ5年くらいは、苦情相談が5000件強、漏えい事案は、300~500件の間で推移しているようです。

 

これを多いとみるか少ないとみるかは、人によって評価が分れるところかもしれません。

 

しかし、ひとたび情報漏えいが起きると、会社に大きなダメージを与える可能性があります。

最悪の場合、会社が倒産する、という事態も考えられます。

 

2014年に起きたベネッセの個人情報流出事件は記憶に新しいところと思いますが、この事件では、実際に顧客情報に関するデータベースの運用や保守管理受託していたベネッセの子会社が倒産しています。

 

このように、情報漏えい事故による影響は、無視できないものなのです。

 

次回は、どのようなリスクが生じるのか、具体的な事案を参考に見ていきます。

(弁護士 國安耕太)

 

*第6回企業法務セミナーを開催いたします。

『あなたの知識が会社を守る!情報管理の基本を習得し、万全な対策を!』

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定員:7名

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参加費(昼食代):1500円

 

*第7回経営者勉強会

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テーマ:インターネット上のオンライン契約について

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起業塾26:秘密情報の管理6(会社外の秘密保持義務2)

前回、秘密保持契約を検討する際には、①秘密情報の対象は何か、②秘密保持義務の内容はどのようなものか、③情報を開示する側か、開示される側か、という視点が重要であるということをお伝えしました。

 

では、なぜこのような視点が重要なのでしょうか。

 

まず、秘密保持契約は、文字通り、「秘密」を保持するための契約書です。

ところが、無限定に秘密情報としてしまうと、本当に秘密とすべき情報が一体どれなのか、分からなくなってしまいます。

その結果、秘密情報として保護されない、という最悪の事態も起こりえます。

 

また、秘密保持義務を課しているにもかかわらず、これに反した場合、最終的には金銭的な解決(損害賠償)がはかられることになります。

この損害賠償の請求にあたっては、被開示者に、秘密情報を漏洩したことについて、故意または過失があることが必要です。

ところが、保護すべき秘密情報がどれかわからないと、故意・過失のいずれも存在しない、とされ、損害賠償義務が認められないということにもなりかねません。

 

そのため、このように秘密情報が特定されていること、すなわち、①秘密情報の対象は何か、というのは秘密保持契約において非常に重要な事項なのです。

 

また、秘密保持義務に限らず、一体どのような義務を負っているのか(②秘密保持義務の内容)は、とても重要ですし、自社がどのような義務を負っているのかを考えるにあたっては、③情報を開示する側か、開示される側なのか、という視点がとても重要になってきます。

 

このような理由から、秘密保持契約を検討する際には、①秘密情報の対象は何か、②秘密保持義務の内容はどのようなものか、③情報を開示する側か、開示される側か、という視点をもっておくとよいでしょう。

(弁護士 國安耕太)

 

*第6回企業法務セミナーを開催いたします。

『あなたの知識が会社を守る!情報管理の基本を習得し、万全な対策を!』

※情報管理の基本 情報漏えいリスクとその対策編

開催日時:3月16日(木)18:30~21:00(18:15開場)

場所:レアルセミナールーム 新宿区西新宿1-3-13 Zenkan Plaza2 7F

対象:経営者、総務・法務担当者

定員:20名(1社2名様まで。定員になり次第締め切らせていただきます。受付にてお名刺2枚をご提出ください。)

参加費:8000円

申込・お問合わせ先:アミエージェンシー(株)セミナー事務局 担当:井上 TEL03-5940-3450

 

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*第5回経営者勉強会

日時:平成29年2月21日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:秘密保持契約とは

参加費(昼食代):1500円

 

*第6回経営者勉強会

日時:平成29年3月28日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:秘密保持契約とは(第5回と同内容となります。)

参加費(昼食代):1500円

 

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起業塾25:秘密情報の管理5(会社外の秘密保持義務1)

前回まで、従業員との関係では、会社は、従業員と個別に秘密保持に関する誓約書を締結したり、秘密保持規程を作成したりして、従業員が守るべき義務として、秘密保持義務を、その対象となる秘密の内容や範囲を明確化しておく必要がある、ということをお伝えしてきました。

 

それでは、会社外部との関係では、どのようにして秘密を秘密として保持していけばよいのでしょうか。

 

まず、押さえておかなければならないのは、会社外部の取引先や協力会社は、当然には秘密保持契約を負うことにはならない、つまり、会社外部の取引先や協力会社に秘密保持義務を課すためには、その旨の契約をしなければならない、ということです。

 

これは、その対象となる秘密の内容や範囲が不明確である等の問題があるものの、労働契約上の付随義務・誠実義務の一環として、秘密保持義務を負っていた従業員の場合と大きく異なる点です。

 

そして、会社外部の取引先や協力会社に秘密保持義務を課すためには、その旨の契約をしなければならないということは、すなわち、秘密情報の対象や秘密保持義務の内容を具体的に定めなければならない、ということです。

 

そこで、秘密保持契約を検討する際には、①秘密情報の対象は何か、②秘密保持義務の内容はどのようなものか、という点に注意しなければなりません。

 

また、③情報を開示する側か、開示される側か、という視点も非常に重要です。

これは、いずれの立場になるかで、条項を検討・変更する方向性が変ってくるからです。

 

次回は、なぜこのような視点が重要なのか、について解説していきます。

(弁護士 國安耕太)

 

*第6回企業法務セミナーを開催いたします。

『あなたの知識が会社を守る!情報管理の基本を習得し、万全な対策を!』

※情報管理の基本 情報漏えいリスクとその対策編

開催日時:3月16日(木)18:30~21:00(18:15開場)

場所:レアルセミナールーム 新宿区西新宿1-3-13 Zenkan Plaza2 7F

対象:経営者、総務・法務担当者

定員:20名(1社2名様まで。定員になり次第締め切らせていただきます。受付にてお名刺2枚をご提出ください。)

参加費:8000円

申込・お問合わせ先:アミエージェンシー(株)セミナー事務局 担当:井上 TEL03-5940-3450

 

※下記の日程で経営者勉強会を開催いたします。定員少数のため満席の場合はご容赦ください。

*第5回経営者勉強会

日時:平成29年2月21日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:秘密保持契約とは

参加費(昼食代):1500円

 

*第6回経営者勉強会

日時:平成29年3月28日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:秘密保持契約とは(第5回と同内容となります。)

参加費(昼食代):1500円

 

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起業塾24:秘密情報の管理4(従業員の秘密保持義務2)

前回、会社が健全に存続・発展していくためには、営業秘密以外の情報についても、その流出を防止しなければならず、会社は、秘密保持規程を作成したり、従業員と個別に秘密保持に関する誓約書を締結したりして、従業員が守るべき義務として、秘密保持義務をその対象となる秘密の内容や範囲を明確化しておく必要がある、ということをお伝えしました。

 

では、この秘密保持に関する誓約書を、いつの時点で作成しておくべきでしょうか。

 

最も望ましいのは、入社時、具体的なプロジェクト時、退社時と異なるタイミングで、それぞれ誓約書にサインをしてもらうことです。

こうすることで、秘密保持義務を負っているとは知らなかった、何が秘密保持義務の対象かわからなかったといったといった従業員からの反論を封じることができます。

 

これに対し、最悪なのは、退職時に、いきなり誓約書を書かせようとすることです。

これからこの会社で働こうという意欲がある入社時と異なり、退社時は、その会社と縁を切ろうとしている段階です。

そのようなときに会社側が誓約書へのサインを求めたとしても、従業員は、なかなかそれに応じてくれません。

 

したがって、ベストは、入社時、具体的なプロジェクト時、退社時と異なるタイミングで、それぞれ誓約書にサインをしてもらうことです。

そして、それが難しいようであれば、少なくとも、入社時にサインをしてもらうことをお勧めします。

 

次回は、会社外に秘密情報を提供する場合に、どのように保護するのか、いわゆる秘密保持契約書について、検討していこうと思います。

(弁護士 國安耕太)

 

*第6回企業法務セミナーを開催いたします。

『あなたの知識が会社を守る!情報管理の基本を習得し、万全な対策を!』

※情報管理の基本 情報漏えいリスクとその対策編

開催日時:3月16日(木)18:30~21:00(18:15開場)

場所:レアルセミナールーム 新宿区西新宿1-3-13 Zenkan Plaza2 7F

対象:経営者、総務・法務担当者

定員:20名(1社2名様まで。定員になり次第締め切らせていただきます。受付にてお名刺2枚をご提出ください。)

参加費:8000円

申込・お問合わせ先:アミエージェンシー(株)セミナー事務局 担当:井上 TEL03-5940-3450

 

※下記の日程で経営者勉強会を開催いたします。定員少数のため満席の場合はご容赦ください。

 

*第4回経営者勉強会

日時:平成29年2月7日午前11時30分〜午後1時

定員:7名

テーマ:営業秘密とは(第3回と同内容となります。)

参加費(昼食代):1500円

 

*第5回経営者勉強会

日時:平成29年2月21日午前11時30分〜午後1時

定員:7名

テーマ:秘密保持契約とは

参加費(昼食代):1500円

 

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起業塾23:秘密情報の管理3(従業員の秘密保持義務1)

前回、前々回と、会社の秘密情報の保護に関する法律は不正競争防止法という法律1つしかないこと、不正競争防止法の保護を受けるためには、「営業秘密」に該当しなければならないこと、「営業秘密」として保護されるためには①秘密管理性、②有用性、③非公知性の3つの要件を満たしている必要があることについて、お伝えしてきました。

 

しかし、営業秘密にあたらないものであっても、会社としては流出を防止しなければならない情報は多々あります。

 

たとえば、従業員の不祥事に関する情報、従業員が横領や背任等で逮捕されたといった情報は、事業活動に有用な技術上または営業上の情報とはいえないでしょう。

また、社員や役員の人事に関する情報や、人事組織に関する情報は、有用な情報であっても、直ちには、事業活動に有用な技術上または営業上の情報とはいえません。

 

したがって、会社が健全に存続・発展していくためには、営業秘密以外の情報についても、その流出を防止しなければなりません。

 

一応、従業員は、労働契約上の付随義務・誠実義務の一環として、秘密保持義務を負っています。

しかし、労働契約上の付随義務・誠実義務の一環としての秘密保持義務は、その対象となる秘密の内容や範囲が不明確である等の問題があります。

 

そこで、会社は、従業員と個別に秘密保持に関する誓約書を締結したり、秘密保持規程を作成したりして、従業員が守るべき義務として、秘密保持義務をその対象となる秘密の内容や範囲を明確化しておく必要があります。

 

ぜひ情報の適正な管理を行い、会社が発展していく礎を築いてください。

(弁護士 國安耕太)

 

*第6回企業法務セミナーを開催いたします。

『あなたの知識が会社を守る!情報管理の基本を習得し、万全な対策を!』

※情報管理の基本 情報漏えいリスクとその対策編

開催日時:3月16日(木)18:30~21:00(18:15開場)

場所:レアルセミナールーム 新宿区西新宿1-3-13 Zenkan Plaza2 7F

対象:経営者、総務・法務担当者

定員:20名(1社2名様まで。定員になり次第締め切らせていただきます。受付にてお名刺2枚をご提出ください。)

参加費:8000円

申込・お問合わせ先:アミエージェンシー(株)セミナー事務局 担当:井上 TEL03-5940-3450

 

※下記の日程で経営者勉強会を開催いたします。定員少数のため満席の場合はご容赦ください。

*第4回経営者勉強会

日時:平成29年2月7日午前11時30分〜午後1時

定員:7名

テーマ:営業秘密とは(第3回と同内容となります。)

参加費(昼食代):1500円

 

*第5回経営者勉強会

日時:平成29年2月21日午前11時30分〜午後1時

定員:7名

テーマ:秘密保持契約とは

参加費(昼食代):1500円

 

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起業塾22:秘密情報の管理2(営業秘密)

前回、会社の秘密情報の保護に関する法律は不正競争防止法という法律1つしかないこと、そして、不正競争防止法の保護を受けるためには、「営業秘密」に該当しなければならないということをお伝えしました。

 

では、不正競争防止法の保護を受ける「営業秘密」とは、どのようなものなのでしょうか。

 

不正競争防止法は、「営業秘密」について、つぎのとおり定めています。

 

「この法律において営業秘密とは、秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないものをいう」(不正競争防止法2条6項)

 

すなわち、

①秘密管理性(「秘密として管理されている」)

②有用性(「事業活動に有用な技術上又は営業上の情報」)

③非公知性(「公然と知られていないもの」)

という3つの要件を満たしているものが、営業秘密として保護されます。

 

この中で最も重要な要件は、①秘密管理性です。

営業秘密として保護されるためには、会社が、「これは営業秘密である」と主観的に認識しているだけでは足りません。

㋐特定の情報を秘密として管理するという意思

㋑経済合理的な秘密管理措置が取られていること

㋒従業員が、当該情報が秘密であると認識できること

が必要です。

 

具体的には、たとえば、紙媒体であれば、ファイルの利用等により一般情報からの合理的な区分を行ったうえで、当該文書に「マル秘」など秘密であることを表示するといった管理を行うことが必要です。

 

なお、次回は、営業秘密にあたらない情報であっても、会社としては流出を防止しなければならない情報をどのように保護していくのか、についてみていきます。

(弁護士 國安耕太)

 

※下記の日程で経営者勉強会を開催いたします。定員少数のため満席の場合はご容赦ください。

*第3回経営者勉強会

日時:平成29年1月24日午前11時30分〜午後1時

定員:7名

テーマ:営業秘密とは

参加費(昼食代):1500円

 

*第4回経営者勉強会

日時:平成29年2月7日午前11時30分〜午後1時

定員:7名

テーマ:営業秘密とは(第3回と同内容となります。)

参加費(昼食代):1500円

 

*第5回経営者勉強会

日時:平成29年2月21日午前11時30分〜午後1時

定員:7名

テーマ:秘密保持契約とは

参加費(昼食代):1500円

 

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起業塾21:秘密情報の管理1(会社の秘密情報の保護)

あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願い申し上げます。

 

2017年、最初のテーマは、秘密情報の管理です。

 

会社は、その事業を行う過程で、様々な情報を獲得し、活用していくことになります。

その中で、対外的に公開したくない、秘匿しておきたい情報(秘密情報)というものがあると思います。

たとえば、技術に関する情報、社員や役員の人事に関する情報などは、一定の時期が経過するまで(または、半永久的に)秘匿しておきたいと考えるのが通常でしょう。

また、顧客に関する情報、社員や役員個人に関する情報も、一般的には公開したくない情報でしょう。

 

では、そのような会社の秘密情報の保護に関する法律は、どのくらいあるのでしょうか。

 

実は、会社の秘密情報の保護に関する法律は、不正競争防止法という法律1つしかありません。

 

しかも、この不正競争防止法だけでは、すべての秘密情報が保護されるわけではありません。

 

不正競争防止法は、「営業秘密」に該当する秘密情報しか保護の対象としていないのです(不正競争防止法2条1項4号ないし10号)。

 

次回は、この「営業秘密」とはどのようなものなのか、見ていくことにします。

(弁護士 國安耕太)

 

※下記の日程で経営者勉強会を開催いたします。定員少数のため満席の場合はご容赦ください。

*第3回経営者勉強会

日時:平成29年1月24日午前11時30分〜午後1時

定員:7名

テーマ:営業秘密とは

参加費(昼食代):1500円

 

*第4回経営者勉強会

日時:平成29年2月7日午前11時30分〜午後1時

定員:7名

テーマ:営業秘密とは

参加費(昼食代):1500円

 

*第5回経営者勉強会

日時:平成29年2月21日午前11時30分〜午後1時

定員:7名

テーマ:秘密保持契約とは

参加費(昼食代):1500円

 

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起業塾20:社内体制の整備11(モデル就業規則の問題点)

前回の最後に、厚生労働省のモデル就業規則*1には多々問題がありますので、利用には注意が必要です、という話を少ししました。

 

では、具体的に、モデル就業規則のどのような規定が問題なのでしょうか。

 

たとえば、モデル就業規則には、「休職」に関する規定があります*2。

「休職」とは、業務外での疾病等主に労働者側の個人的事情により相当長期間にわたり就労を期待し得ない場合に、労働者としての身分を保有したまま一定期間就労義務を免除する特別な扱いをいいます。

 

従業員と会社との間の労働契約は、従業員が会社に対し、労働力を提供することをその内容としていますから、従業員が私傷病によって会社に対し労務提供できない場合、本来は解雇として取り扱われます。

そのため、休職は、従業員が会社に対し労務提供ができないとしても、即時に解雇するのではなく、労働契約関係を維持しながら、一定期間猶予を与えるものといえます。

 

要するに、従業員を保護するための制度なのです。

 

ところが、実は、労働基準法をはじめとした労働法には、「休職」に関する規定が一切ありません。

これは、つまり、休職の対象となる従業員や休職期間その他の条件を会社が自由に決められるというにとどまらず、そもそも休職制度を置くかどうかも自由に決められるということです。

 

スタートアップの会社や、従業員が10数名しかいない会社で、本当に休職制度を設ける必要があるのでしょうか。

休職期間中、給与の支払義務はないとしても、社会保険の支払義務は残ります。

 

もちろん、考えた結果、制度が必要だ!という判断もあり得るでしょう。

しかし、少なくとも本当に必要なのか、きちんと検討する必要はあるでしょう。

(弁護士 國安耕太)

 

*1

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/model/index.html

 

*2

第9条

1 労働者が、次のいずれかに該当するときは、所定の期間休職とする。

①業務外の傷病による欠勤が  か月を超え、なお療養を継続する必要があるため勤務できないとき:  年以内

②前号のほか、特別な事情があり休職させることが適当と認められるとき:必要な期間

2 休職期間中に休職事由が消滅したときは、原則として元の職務に復帰させる。ただし、元の職務に復帰させることが困難又は不適当な場合には、他の職務に就かせることがある。

3 第1項第1号により休職し、休職期間が満了してもなお傷病が治癒せず就業が困難な場合は、休職期間の満了をもって退職とする。

 

※下記の日程で経営者勉強会を開催いたします。定員少数のため満席の場合はご容赦ください。

*第2回経営者勉強会

日時:平成29年1月10日午前7時〜8時30分

定員:7名

テーマ:従業員の秘密保持義務(秘密保持誓約書の作り方)

参加費(朝食代):1500円

 

*第3回経営者勉強会

日時:平成29年1月24日午前11時30分〜午後1時

定員:7名

テーマ:営業秘密とは

参加費(昼食代):1500円

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起業塾19:社内体制の整備10(就業規則の有用性)

常時10人以上の従業員を使用する会社は、労働基準法89条の規定により、就業規則を作成し、所轄の労働基準監督署長に届け出なければならないとされています。

 

では、従業員が10人未満の会社は、就業規則を作成しなくてもよいのでしょうか。

 

確かに、法律上、従業員が10人未満の会社には、就業規則の作成義務はありません。

しかし、スタートアップの会社等、従業員が10人未満の会社であっても、就業規則を作成しておくメリットは複数あります。

 

まず、最も大きなメリットは、個々の会社の状況に則した服務規律を定めることができるという点です。

たとえば、無断欠勤や、遅刻早退を繰り返す従業員がいたとしても、そのような場合の処分に関する明確なルールが定められていなければ、会社は、当該従業員を減給処分等することはできません。

また、当然ですが、前々回ご紹介した固定残業手当(定額残業代)制度を利用することもできません。

 

また、厚生労働省管轄の助成金の中には、就業規則の作成が前提とされているものがあります。

就業規則を作成しておくで、このような助成金を申請することが可能になります。

 

その他、従業員とのトラブルを未然に防止することができたり、良い人材確保ができたりといった副次的なメリットもあるでしょう。

 

このように、就業規則を作成しておくメリットは複数あります。

 

ただ、就業規則であれば、何でもよいというわけではありません。

実際、社会保険労務士や弁護士に就業規則の作成を依頼せず、厚生労働省が公表しているモデル就業規則*を自社の就業規則としている会社を見かけます。

しかし、モデル就業規則には多々問題がありますので、利用には注意が必要です。

 

次回は、モデル就業規則等ひな形の問題点について、見ていきましょう。

(弁護士 國安耕太)

 

*http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/model/index.html

 

※下記の日程で経営者勉強会を開催いたします。定員少数のため満席の場合はご容赦ください。

*第2回経営者勉強会

日時:平成29年1月10日午前7時〜8時30分

定員:7名

テーマ:従業員の秘密保持義務(秘密保持誓約書の作り方)

参加費(朝食代):1500円

 

*第3回経営者勉強会

日時:平成29年1月24日午前11時30分〜午後1時

定員:7名

テーマ:営業秘密とは

参加費(昼食代):1500円

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起業塾18:社内体制の整備9(安全配慮義務)

業務が原因で、従業員が死傷した場合、従業員ないしその家族は、会社に対し、不法行為を理由とする損害賠償請求(民法709条)をすることができます。

 

また、債務不履行(安全配慮義務違反)を理由とする損害賠償請求(民法415条)をすることもできます。

安全配慮義務とは、判例上、「労働者が労務提供のため設置する場所、設備もしくは器具等を使用し又は使用者の指示のもとに労務を提供する過程において、労働者の生命および身体等を危険から保護するよう配慮すべき義務」(最判昭和59.4.10、民集38-6-557、川義事件)とされてきたもので、現在では、労働契約法5条に「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」と定められています。

 

そして、たとえば、過重労働が問題となった過去の裁判例では、「会社は、労働者であるAを雇用し、自らの管理下におき、a駅店での業務に従事させていたのであるから、Aの生命・健康を損なうことがないよう配慮すべき義務を負っていたといえる。具体的には、Aの労働時間を把握し、長時間労働とならないような体制をとり、一時、やむを得ず長時間労働となる期間があったとしても、それが恒常的にならないよう調整するなどし、労働時間、休憩時間及び休日等が適正になるよう注意すべき義務があった。」として、長時間労働を原因とする死亡につき、会社に損害賠償義務を認めています(京都地判平成22年5月25日、労判1011号35頁)。

 

また、昨今では、会社だけでなく、取締役等の役員個人に対する損害賠償訴訟も提起されるようになってきました。そして、実際に損害賠償請求が認められる事案も出てきています。

上記裁判例でも、会社のみならず、役員個人に対しても、会社法429条1項*に基づく損害賠償義務を認めています。

 

会社にとって、事前に専門家によるチェックを受け、適正な労務管理を行うことは非常に重要ですが、会社のみならず、役員個人にとっても、適正な労務管理を行うことが直接的かつ重要な意味を持つといえます。

(弁護士 國安耕太)

 

*会社法429条1項

役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。

 

※下記の日程で経営者勉強会を開催いたします。定員少数のため満席の場合はご容赦ください。

*第1回経営者勉強会

日時:平成28年12月20日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:従業員の秘密保持義務(秘密保持誓約書の作り方)

参加費(昼食代):1500円

 

*第2回経営者勉強会

日時:平成29年1月10日午前7時〜8時30分

定員:7名

テーマ:従業員の秘密保持義務(秘密保持誓約書の作り方)

参加費(朝食代):1500円

 

*第3回経営者勉強会

日時:平成29年1月24日午前11時30分〜午後1時

定員:7名

テーマ:営業秘密とは

参加費(昼食代):1500円

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起業塾17:社内体制の整備8(固定残業手当制度)

近時、いわゆる固定残業手当(定額残業代)制度、すなわち、定額の残業手当を支払うことで、時間外労働に対する割増賃金の支払いに代えるとの制度を導入している会社が増えています。

 

固定残業手当制度も、現実の時間外労働時間に基づいて算出される割増賃金額を下回らないかぎり適法です。

 

ただし、そもそも固定残業手当制度として認められるためには、少なくとも、(1)基本給部分と固定残業手当部分とを明確に区別できること、(2)他の支給目的と混同する名称が用いられていないこと、(3)固定分を超えた部分について差額を支払うことが、(4)就業規則・賃金規程・労働条件通知書等に記載されていることが必要とされています。

 

これらの要件を満たしていないと、制度が無効となってしまう可能性があるので、注意が必要です。

 

実際、過去の裁判例では、就業規則および賃金規程が明確性・一義性に欠けること、実際に労働者が自己の毎月の労働による具体的時間外割増賃金額を了知できないこと等から、割増賃金が能力給に含まれるとの会社の主張を認めなかった事案があります(東京地判平成20年3月21日、労判967号35頁、フジビルメンテナンス事件)。

 

また、たとえ労働者と、固定額しか支払わないとの合意をしていたとしても、そのような合意は労働基準法37条に反し無効となります。

 

そして、固定残業手当(定額残業代)制度が無効とされると、当該手当の額が割増賃金算定の基礎金額に算入されてしまい、予想外の金額を支払わなければならなくなる危険性があります。

 

固定残業手当(定額残業代)制度を導入・運用する際は、きちんと弁護士、社会保険労務士等の専門家に相談することをお勧めします。

(弁護士 國安耕太)

 

※下記の日程で経営者勉強会を開催いたします。定員少数のため満席の場合はご容赦ください。

*第1回経営者勉強会

日時:平成28年12月20日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:従業員の秘密保持義務(秘密保持誓約書の作り方)

参加費(昼食代):1500円

 

*第2回経営者勉強会

日時:平成29年1月10日午前7時〜8時30分

定員:7名

テーマ:従業員の秘密保持義務(秘密保持誓約書の作り方)

参加費(朝食代):1500円

 

*第3回経営者勉強会

日時:平成29年1月24日午前11時30分〜午後1時

定員:7名

テーマ:営業秘密とは

参加費(昼食代):1500円

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起業塾16:社内体制の整備7(名ばかり管理職)

みなさんは、数年前、某ファーストフード店の店長が、某ファーストフード店に対し、数百万円の割増賃金の支払を求める訴訟を提起して話題になりましたが、ご存じでしょうか。

これは、某ファーストフード店側が、店長は管理監督者であるとして、割増賃金を支払っていなかったところ、店長側が、某ファーストフード店の店長は管理監督者に該当しないとして、未払いの割増賃金の支払を求めた事案です。

 

みなさんの中には、課長や部長という役職がついていれば、残業代を支払わなくてよいという話を聞いたことがある、という方がいらっしゃるかもしれません。

 

確かに、労働基準法上、割増賃金に関する32条は、(1)農業、畜産・水産業に従事する者、(2)管理監督者および(3)監視・継続労働従事者には適用されないとされています(41条)。

そのため、某ファーストフード店の店長が、この労働基準法41条の「管理監督者」に該当するのであれば、割増賃金の支払義務はありません。

 

しかし、管理監督者にあたるかどうかは、労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的立場にある者をいい、名称にとらわれず、実態に即して判断されます。

具体的には、㋐職務内容、権利と権限が、管理者としてふさわしいものであるか、㋑出退勤の自由ないし裁量性が存在しているか、㋒地位にふさわしい待遇を与えているかどうかを総合的に考慮して判断されることになります。

 

これらにかんがみると、管理監督者に該当する人は、意外に少ないということが分かると思います。

 

結果的に上記事案でも、「店長は、その職務の内容、権限および責任の観点からしても、その待遇の観点からしても、管理監督者に当たるとは認められない」(東京地判平成20.1.28判時1998号149頁)として、某ファーストフード店側に、数百万円の割増賃金の支払を命じられています。

 

管理職であるというだけで、割増賃金の支払いを拒むことはできません。

自社の制度設計をきちんと見直してみることをお勧めします。

(弁護士 國安耕太)

 

※下記の日程で経営者勉強会を開催いたします。定員少数のため満席の場合はご容赦ください。

*第1回経営者勉強会

日時:平成28年12月20日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:従業員の秘密保持義務(秘密保持誓約書の作り方)

参加費(昼食代):1500円

 

*第2回経営者勉強会

日時:平成29年1月10日午前7時〜8時30分

定員:7名

テーマ:従業員の秘密保持義務(秘密保持誓約書の作り方)

参加費(朝食代):1500円

 

*第3回経営者勉強会

日時:平成29年1月24日午前11時30分〜午後1時

定員:7名

テーマ:営業秘密とは

参加費(昼食代):1500円

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起業塾15:社内体制の整備6(残業代請求)

近時、いわゆる未払残業代を請求される事案が増えています。

かなり高額の請求がなさるケースもあるようで、中小企業にとっては、経営の存続にかかわるような大きなダメージを与える可能性があります(もちろん、本来、会社が支払っておかなければならないものですが。)。

 

さて、「いわゆる」未払残業代と記載したのは、法律上「残業代」という概念が存在していないからです。

労働基準法上は、「労働時間を延長し、または休日に労働させた場合においては・・・割増賃金を支払わなければならない」(労働基準法37条1項*)と規定しており、法律上は、あくまでも未払「割増賃金」請求です。

この割増賃金の典型が残業代ですが、上記の定義にもあるように、労働時間を勤務時間前に延長した場合、すなわち、早出の場合や、休日労働の場合にも割増賃金の支払義務が生じることになります。

 

そして、この割増賃金の基準となる「労働時間」に関する規定は、労働基準法32条にあります。

労働基準法32条は、「使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない(1号)」「使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない(2号)」と規定しています。

 

結局のところ、いわゆる残業代請求とは、「労基法上の、1日8時間、1週40時間の上限を超えた労働(時間外労働)を行った場合、割増賃金の支払義務が生じているにもかかわらず、これを支払っていない」会社に対し、この支払いを求めていくもの、ということになります。

 

なお、この労働基準法32条の「労働時間」としてカウントできるか否かについて、最高裁は、「労働者の行為が使用者の指揮命令下におかれたものと評価することができるか否か」で、判断しています(最判平成12年3月9日、民集54巻3号801頁、三菱重工長崎造船所事件)。

(弁護士 國安耕太)

 

*労働基準法37条1項

使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。ただし、当該延長して労働させた時間が一箇月について六十時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

 

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起業塾14:社内体制の整備5(試用期間終了時の本採用拒否)

会社が、労働者と労働契約を締結する際、試用期間が設けられることがあります。

試用期間とは、採用後に従業員としての適格性を観察・評価するために会社が設ける期間をいいます。

そして、試用期間中における会社と仮採用の従業員との関係は、「解約権留保付労働契約」であるというのが判例です*1。

 

ここで、重要なのは、解約留保付きの「労働契約」であるということです。

すなわち、たとえ試用期間満了時の「本採用拒否」であったとしても、これは採用の問題ではなく、労働契約の解消の問題=解雇の問題ということになります。

従業員の解雇に関しては、解雇権濫用法理(労働契約法16条)が適用され、客観的合理性と社会的相当性の2つの要件を満たさない限り、無効になります*2。

 

ただし、判例は、「留保解約権に基づく解雇は、これを通常の解雇と全く同一に論ずることはできず、前者については、後者の場合よりも広い範囲における解雇の自由が認められてしかるべきものといわなければならない」としており、本採用後の)通常の解雇よりも広い範囲において解雇の自由を認めています。

 

以上をまとめると、試用期間満了時の本採用拒否は、解雇権濫用法理(労働契約法16条)が適用され、通常の解雇よりも広い範囲で認められているものの、客観的合理性と社会的相当性の2つの要件を満たしていなければならない、ということになります。

 

試用期間満了時の本採用拒否であるとしても、自由にできるものではない、ということに注意が必要です。

(弁護士 國安耕太)

 

*1

最判昭和48年12月12日(民集27巻11号1536頁、三菱樹脂事件)

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/931/051931_hanrei.pdf

 

*2

労働契約法16条

解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

 

*第5回企業法務セミナーを開催いたします。

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起業塾13:社内体制の整備4(解雇権濫用法理)

会社と労働者との間の労働契約が解消される場面としては、つぎの5つが存在します。

①契約当事者の消滅、死亡

②包括的同意(定年に達するなど一定の事由が発生すると当然に労働契約が終了するもの。「当然退職」)

③個別的同意(一般的に、労働者が退職を申込み、使用者が承諾する形で、双方の合意により労働契約を終了させるもの。「合意退職」)

④労働者の単独行為(労働者の一方的な意思表示によって労働契約を終了させるもの。「辞職」)

⑤使用者の単独行為(使用者の一方的な意思表示によって労働契約を終了させるもの。「解雇」)

 

このうち、もっとも問題となるのが⑤使用者の単独行為である解雇の場合です。

 

法律上、解雇は自由に出来るのが原則です。

労働基準法19条は解雇制限、20条は解雇予告手当に関する条文ですが、いずれも時期等の要件を満たせば、解雇は可能であることを前提としており、解雇そのものを禁止するものではありません。

 

しかし、実際は、判例上解雇権濫用法理が確立されており、現在では労働契約法16条も「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」として、事実上解雇を制限しています。

 

このように従業員の解雇には、大きな制約が課せられています。

そのため、従業員を解雇するにあたっては、社会保険労務士や弁護士等、外部の専門家に相談のうえ、慎重に判断する必要があります。

(弁護士 國安耕太)

 

*経営者交流会「落合会(仮称)」を開催いたします。

開催日時:11月9日(水)19:00~21:00

会場:五反田ワイン酒場「マルミチェ」2F

住所:品川区西五反田1-4-8

定員:36名

参加費:6000円前後

 

*第5回企業法務セミナーを開催いたします。

『あなたの知識が会社を守る!労務管理の基本を習得し、労務リスク対策を』

※労務管理の基本 雇用と業務委託契約の使い方編

開催日時:11月25 日(金)18:30~21:00(18:15開場)

場所:レアルセミナールーム 新宿区西新宿1-3-13 Zenkan Plaza2 七F

対象:経営者、総務・法務担当者

定員:20名(1社2名様まで。定員になり次第締め切らせていただきます。受付にてお名刺2枚をご提出ください。)

参加費:5000円

申込・お問合わせ先:アミエージェンシー(株)セミナー事務局 担当:井上 TEL03-5940-3450

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起業塾12:社内体制の整備3(労働契約と業務委託契約)

会社との間で締結される労働の提供に関する契約の典型は、労働契約ですが、このほかに、会社の外にいる者を活用する契約として、請負契約、業務委託契約、派遣契約等も存在します。

通常、このような会社の外にいる者は、当該会社の労働者とはなりません。

しかし、業務の態様によっては、当該会社の労働者であるとして、残業代請求や解雇無効確認請求がなされることがあります。

いわゆる偽装請負、偽装派遣の問題です。

 

そのため、会社としては、どのような場合に自社の「労働者」とみなされるのか、その判断基準、いわゆる労働者性の判断基準を押さえておく必要があります。

 

まず、外形上の契約形態のみによって判断されるものではありません。すなわち、契約の名称では、労働者かどうかの判断はできず、実質的に労働契約といえるかどうかで判断されます。

もちろん、契約の名称は一つの判断材料にはなります。

しかし、たとえば、契約書の名称が業務委託契約や請負契約であったからといって、必ず労働者ではないと判断されるわけではありません。

 

そこで、過去の裁判例では、実質的に労働契約といえるかどうかを、指揮命令関係があるか否かで判断しています。

具体的には、①諾否の自由の有無、②業務遂行上の指揮監督の有無、③時間的・場所的拘束性の有無、④労務提供の代替性の有無、⑤報酬の労務対償性の有無等を総合的に考慮して、指揮命令関係の有無が判断されます。

 

業務委託契約や請負契約を活用している会社は、上記考慮要素に照らして、自社の契約が労働契約とされるおそれはないか、一度きちんと確認してみることをお勧めします。

(弁護士 國安耕太)

 

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開催日時:11月9日(水)19:00~21:00

会場:五反田ワイン酒場「マルミチェ」2F

住所:品川区西五反田1-4-8

定員:36名

参加費:6000円前後

 

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開催日時:11月25 日(金)18:30~21:00(18:15開場)

場所:レアルセミナールーム 新宿区西新宿1-3-13 Zenkan Plaza2 七F

対象:経営者、総務・法務担当者

定員:20名(1社2名様まで。定員になり次第締め切らせていただきます。受付にてお名刺2枚をご提出ください。)

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申込・お問合わせ先:アミエージェンシー(株)セミナー事務局 担当:井上 TEL03-5940-3450

 

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起業塾11:社内体制の整備2(労働条件明示義務)

会社が、労働者と労働契約を締結する場合、会社は労働者に対し、賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければなりません(労働基準法15条1項)。

 

そして、つぎの6項目に関しては、書面で明示しなければなりません(労働基準法15条1項、労働基準法施行規則5条2項・3項・1項1ないし4号の2)。

①労働契約の期間に関する事項

②期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項

③就業の場所及び従事すべき業務に関する事項

④始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項

⑤賃金(退職手当及び第五号に規定する賃金を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項

⑥退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

 

また、つぎの⑨項目に関しても、書面または口頭等で明示しなければなりません(労働基準法15条1項、労働基準法施行規則1項)。

①昇給に関する事項

②退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項

③臨時に支払われる賃金(退職手当を除く。)、賞与及び第八条各号に掲げる賃金並びに最低賃金額に関する事項

④労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項

⑤安全及び衛生に関する事項

⑥職業訓練に関する事項

⑦災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項

⑧表彰及び制裁に関する事項

⑨休職に関する事項

 

この労働条件明示義務に違反した場合、会社は30万円以下の罰金に処せられる可能性があります(労働基準法120条1号・15条1項)。

また、明示された労働条件が事実と相違する場合、労働者は、即時に労働契約を解除することができるとされている点にも注意が必要です(労働基準法15条2項)。

(弁護士 國安耕太)

 

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起業塾10:社内体制の整備1(労働契約と雇用契約)

会社がその事業を発展させていくためには、優秀な従業員を確保し、継続的に事業を担ってもらうことが必要不可欠です。

その際に、会社と従業員との間で締結される労働の提供に関する契約が、労働契約です。

 

ここで、「あれ?労働契約という言葉も聞いたことがあるけれど、雇用契約という言葉もあったような気がする。」

という方もいらっしゃるかもしれません。

 

そうなんです。

労働契約という概念とは別に、雇用契約という概念もあります。

 

まず、雇用契約とは、「当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対してその報酬を与えることを約する」契約です(民法623条)。

これに対し、労働契約とは、「労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者および使用者が合意することによって成立する」契約です(労働契約法6条)。

 

定義だけ見ると、「同じものなのでは?」と思うかもしれませんが、厳密には、労働契約と雇用契約とは別のものです。

ただ、会社と従業員との間で締結される労働の提供に関する契約は、一般的には、労働契約かつ雇用契約です。

そして、労働契約に該当する場合、労働契約に関する規定が雇用契約に関する規定に優先して適用されます。

そのため、通常、両者を区別する必要は、あまりありません。

 

しかし、労働契約法や労働基準法は、同居の親族のみを使用する場合には、適用されない旨を明記しています*。

そのため、同居の親族のみを使用しているような会社の場合は、労働契約ではなく、雇用契約として、民法の規定のみが適用されることになります。

 

なお、労働契約に該当する場合、労働契約法のほか、労働基準法、労働組合法、労働関係調整法、最低賃金法、労働安全衛生法等様々な労働にまつわる法律による規制を受けるので注意が必要です。

(弁護士 國安耕太)

*

労働契約法22条2項

この法律は、使用者が同居の親族のみを使用する場合の労働契約については、適用しない。

 

労働基準法106条2項

この法律は、同居の親族のみを使用する事業及び家事使用人については、適用しない。

 

*第10回JSH交流会(ミニセミナー付き)を開催いたします。

『人事・総務・法務のための交流会』

開催日時:10月21 日(金)19~22時

場所:フレンチバル&レストランジェイズ

TEL 03-3365-0341

東京都新宿区歌舞伎町1-1-16 テイケイトレードビルB1

参加資格:人事、総務、法務担当者の方など(経営者、役員、管理職の方もご興味のある方ならOK)

定員:30名

会 費(飲食代込み):6000円

 

*経営者交流会「落合会(仮称)」

開催日時:11月9日(水)19:00~21:00

会場:五反田ワイン酒場「マルミチェ」2F

住所:品川区西五反田1-4-8

定員:36名

会費:6000円前後

 

*第5回企業法務セミナーを開催いたします。

『あなたの知識が会社を守る!労務管理の基本を習得し、労務リスク対策を』

※労務管理の基本 雇用と業務委託契約の使い方編

開催日時:11月25 日(金)18:30~21:00(18:15開場)

場所:レアルセミナールーム 新宿区西新宿1-3-13 Zenkan PlazaⅡ7F

対象:経営者、総務・法務担当者

定員:20名(1社2名様まで。定員になり次第締め切らせていただきます。受付にてお名刺2枚をご提出ください。)

参加費:5000円

申込・お問合わせ先:アミエージェンシー㈱セミナー事務局 担当:井上 TEL03-5940-3450

 

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起業塾9:知的財産権の活用5(著作権法)

著作権法は、著作物ならびに実演、レコード、放送および有線放送に関し著作者の権利およびこれに隣接する権利を保護する法律です(著作権法1条)。

著作権法が主として規定しているのは、著作物に関する著作者の権利ですが、この定義のとおり、著作者の権利に隣接する権利(著作隣接権)についても規定されているのが特徴です。

 

ここで著作物とは、思想または感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術または音楽の範囲に属するものをいい(著作権法2条1項1号)、著作物を創作する者を著作者といいます(著作権法2条1項2号)。

 

そして、著作権法は、著作者は、著作者人格権および著作権を享有すると定め(著作権法17条1項*)、著作者人格権(18条以下)と著作権(21条以下)をそれぞれ規定しています。

 

著作者人格権は、著作物を公表するかどうか(公表権、18条)ならびに公表示に氏名を表示するかどうか(氏名表示権、19条)を決定できる権利および著作物の内容を改変されない権利(同一性保持権、20条)があります。

 

一方、著作権は、複製権(21条)、公衆送信権(23条)、翻案権(27条)等様々な10の権利の集合体で、それぞれの権利を個別に譲渡することも可能です。

 

そして、著作権者(譲渡されない限り、著作者が著作権者です。)の許諾を得ずに、著作権の対象となる行為をした場合、著作権侵害となります。

 

なお、著作権侵害がなされた場合、著作権者は、差止請求(著作権法112条)、損害賠償請求(民法709条)、信用回復請求(著作権法115条)等をすることが認められています。

 

著作権は、権利の対象が広く、また、著作権の制限規定(30条以下)や著作隣接権が存在している等、様々な考慮をする必要があります。

自社にかかわる権利をきちんと管理するとともに、著作物を利用する際は、権利関係をよく調査・確認するようにしてください。

(弁護士 國安耕太)

 

*

著作権法17条1項

著作者は、次条第一項、第十九条第一項及び第二十条第一項に規定する権利(以下「著作者人格権」という。)並びに第二十一条から第二十八条までに規定する権利(以下「著作権」という。)を享有する。

 

*第10回JSH交流会(ミニセミナー付き)を開催いたします。

『人事・総務・法務のための交流会』

開催日時:10月21 日(金)19~22時

場所:フレンチバル&レストランジェイズ

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参加資格:人事、総務、法務担当者の方など(経営者、役員、管理職の方もご興味のある方ならOK)

定員:30名

会 費(飲食代込み):6000円

 

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起業塾8:知的財産権の活用4(商標法)

商標法は、特定の商品またはサービスを示すマーク等(標章)*を保護する法律です。

 

商標法は、商標権者は、登録商標の使用をする権利を専有する(商標法25条本文)と定め、商標権者に一定期間(10年)、その商標を独占的排他的に使用できる権利を認めています。

そのため、第三者が権原なく、商標を使用した場合、商標権侵害に該当します。

 

ただ、実務上、登録商標の無断使用が問題となる場面は、そう多くはありません。

 

すなわち、商標法は、商標を使用する専用権の範囲に入る行為ではないが、その範囲に他人が入り込む蓋然性の高い行為を捉えて侵害とみなし、その行為を禁止する権利を認めています(商標法37条1号)。

そのため、登録商標に類似する標章の使用も禁止することができるのです。

 

また、商標法は、侵害の予備的行為も侵害とみなして、その行為を禁止する権利を認めています(商標法37条2号等)。

 

したがって、実務上は、登録商標に類似するといえるか、が争われることがほとんどです。

 

なお、商標権侵害がなされた場合、商標権者等は、差止請求(商標法36条)、損害賠償請求(民法709条)、信用回復請求(商標法39条、特許法106条)等をすることが認められています。

 

以上のことから、何らかの標章を使用する際は、当該標章が登録されていないか、調べておいた方が無難です。

そして、類似か否かの判断は、専門家の間でも意見が分かれることも珍しくありません。できれば事前に専門家に相談しておくことをお勧めします。

また、自社のブランド戦略として、社名や商品名の商標権を取得する、ということも検討してみても良いと思います。

(弁護士 國安耕太)

 

*

商標の典型例は、マークですが、その他にも文字や色彩、音等も商標となりえます。

商標法2条1項

この法律で「商標」とは、人の知覚によつて認識することができるもののうち、文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音その他政令で定めるもの(以下「標章」という。)であつて、次に掲げるものをいう。

 

*第10回JSH交流会(ミニセミナー付き)を開催いたします。

『人事・総務・法務のための交流会』

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東京都新宿区歌舞伎町1-1-16 テイケイトレードビルB1

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定員:30名

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起業塾7:知的財産権の活用3(意匠法)

意匠法は、物品のデザイン(形状、模様、色彩等)を保護する法律です*1。

 

意匠法は、「意匠権者は、業として登録意匠およびこれに類似する意匠の実施をする権利を専有する」と定め(意匠法23条本文)、意匠権者に一定期間(20年)、その意匠を独占的排他的に使用できる権利を認めています。

前回取り上げた特許と異なり、意匠の場合は、「類似する意匠」にまで専有権が認められています。

そのため、第三者が権原なく、登録意匠を実施*2した場合だけでなく、類似する意匠を実施した場合も、意匠権の直接的な侵害なります。

 

また、意匠法においても、侵害の予備的行為も侵害とみなして、その行為を禁止する権利を認めています(意匠法38条)。

 

そして、意匠権侵害がなされた場合、意匠権者等は、差止請求(意匠法37条)、損害賠償請求(民法709条)、信用回復請求(意匠法41条、特許法106条)等をすることが認められています。

 

なお、意匠の類否は、「需要者の視覚を通じて起こさせる美感に基づいて行うものとする」(意匠法24条2項)とされていますが、その判断は容易ではありません。できれば事前に専門家に相談しておくことをお勧めします。

(弁護士 國安耕太)

 

*1

意匠法2条1項

この法律で「意匠」とは、物品(物品の部分を含む。第八条を除き、以下同じ。)の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合であつて、視覚を通じて美感を起こさせるものをいう。

 

*2

意匠法2条3項

この法律で意匠について「実施」とは、意匠に係る物品を製造し、使用し、譲渡し、貸し渡し、輸出し、若しくは輸入し、又はその譲渡若しくは貸渡しの申出(譲渡又は貸渡しのための展示を含む。以下同じ。)をする行為をいう。

 

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起業塾6:知的財産権の活用2(特許法)

特許法は、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものである発明を保護する法律です。

 

特許法は、「特許権者は、業として特許発明の実施をする権利を専有する。」(特許法68条)と定め、特許権者に一定期間(原則20年)、その特許発明を独占的排他的に実施できる権利(排他的独占権)を認めています。

そのため、第三者が権原なく、特許発明の実施をした場合、特許権侵害に該当します。

 

また、特許発明を実施したときのように直接侵害行為を行う場合だけでなく、侵害の予備的ないし幇助的な行為についても、侵害とみなされます(特許法101条)。これは、このような行為を放置しておくと、侵害を誘発する蓋然性が極めて高く、かつ侵害が生じてからでは侵害を補足することが困難であるために設けられた規定とされています。

 

そして、特許権侵害がなされた場合、特許権者等は、差止請求(特許法100条)、損害賠償請求(民法709条)、信用回復請求(特許法106条)等をすることが認められています。

 

なお、発明には、①物の発明、②方法の発明、③物を生産する方法の発明の3種類がありますが(特許法2条3項)、①物の発明および③物を生産する方法の発明の場合、輸出入、譲渡等の行為も実施にあたります。

そのため、商品の輸出入、転売等を業として行っている場合は、当該商品が特許権を侵害していないか、慎重に検討する必要があります。

(弁護士 國安耕太)

*第10回JSH交流会(ミニセミナー付き)を開催いたします。

『人事・総務・法務のための交流会』

開催日時:10月21 日(金)19~22時

場所:フレンチバル&レストランジェイズ

TEL 03-3365-0341

東京都新宿区歌舞伎町1-1-16 テイケイトレードビルB1

参加資格:人事、総務、法務担当者の方など(経営者、役員、管理職の方もご興味のある方ならOK)

定員:30名

会 費(飲食代込み):6000円

 

*弁護士ドットコムの取材を受けました。

従業員間の守秘義務について記載しています。

https://www.bengo4.com/houmu/n_5068/

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起業塾4:資本政策の重要性

起業した会社にとって、資本政策をどのように考えるかは、とても重要です。

 

資本政策とは、一般的に、株式公開(上場)に向けて、株主構成や資金調達等に関する計画を作ることをいいます。

具体的には、いつ、誰に、いくらで、どのような方法で、いくつの株式を割り当てるのかを計画します。

 

また、株式公開を目指していなかったとしても、数人の仲間で会社を始めるような場合には、きちんと資本政策を考えておく必要があります。

 

なぜなら、資本政策を後からやり直すことが非常に難しいからです。

すなわち、上記のとおり、資本政策とは、いつ、誰に、いくらで、どのような方法で、いくつの株式を割り当てるのか、という問題です。

一度株式を割り当て、株主にした場合、株主を追い出すことは容易ではありません。

 

そして、株主には、様々な権利があります。

単独で行使できる権利(議決権、株主総会における議案提案権等)もありますが、一定数以上の株式を有している場合に求められる少数株主権(帳簿閲覧権、株主総会招集権、解散請求権等)もあります。

 

どの株主に、どのような権利まで認めるのかは、その後の会社の方向性を左右しうるものです。

したがって、起業したての会社であったとしても、資本政策をどのように考えるかは、とても重要といえるのです。

(弁護士 國安耕太)

*弁護士ドットコムの取材を受けました。

従業員間の守秘義務について記載しています。

https://www.bengo4.com/houmu/n_5068/

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起業塾3:取締役って何人必要なの?

旧商法では、取締役は必ず3人以上必要とされていました(旧商法255条)。また、必ず取締役会を設置し、監査役も1人以上選任しなければならないとされていました。

 

これに対し、現行の会社法では、このような規制は撤廃されています。

すなわち、取締役は、1人以上であれば何人でもよく、取締役会の設置や監査役の選任も原則として自由です(会社法326条*1)。

 

ただし、取締役会を設置するためには、取締役を3人以上選任しなければなりません(会社法331条5項)。

また、公開会社等は、取締役会を設置しなければならない(会社法327条1項*2)、取締役会設置会社は、原則として監査役を選任しなければならない(会社法327条2項)といった制限があります。

 

なお、取締役会は、会社の業務執行の意思決定機関であり、この取締役会を設置する一番のメリットは、株主総会ではなく取締役会で決定すれば足りる事項が大幅に増加するという点にあります。

すなわち、逐一株主総会を招集して意思決定をしなければならないとすると、株主にとっても会社にとっても煩雑ですし、迅速な意思決定が阻害されてしまうため、会社にとって重要な事項を除き、取締役会の決議で業務執行が可能となります。

 

自社の状況をみて、取締役を何人選任するのか、取締役会、監査役を設置するのかといった機関設計をどのようにするのか、考えてみてください。

(弁護士 國安耕太)

 

*1

会社法326条

1 株式会社には、一人又は二人以上の取締役を置かなければならない。

2 株式会社は、定款の定めによって、取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人、監査等委員会又は指名委員会等を置くことができる。

 

*2

会社法327条1項

次に掲げる株式会社は、取締役会を置かなければならない。

一 公開会社

二  監査役会設置会社

三  監査等委員会設置会社

四  指名委員会等設置会社

 

**本文とは直接関係がありませんが、以前、起業した会社名のメールアドレスを取得した方が、当該メールアドレスを記載した名刺等を作成した後に、メールアドレスの費用を振り込むのを忘れ、当該メールアドレスを取得できていなかったことが発覚した、ということがありました。あまりないとは思いますが、きちんと手続きが完了しているか、慎重に確認するようにしましょう。

***株式会社全国賃貸住宅新聞社発行の「家主と地主」から取材を受けました(8月号の30ページに掲載されています。)。

 

 

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起業塾2:社名に注意!

起業する際、必ずしも会社等の法人を設立しなければならないわけではありません。

会社等の法人を設立せずに、個人事業主として、事業を展開することもできます。

この場合、基本的には、どのような名前を付けても構いません。

 

ただし、商標登録されている商標と同一または類似の名前や、商標登録されていなくても、著名または周知な他人の名称と同一または類似の名前を使用した場合、商標法違反や不正競争防止法違反となる可能性があります。

商標法違反や不正競争防止法違反となった場合、当該名前の使用差止請求や損害賠償請求を受けることがあります。

 

つぎに、会社等の法人の場合ですが、商標法および不正競争防止法に注意しなければならないのは、個人事業主の場合と同様です。

 

また、基本的には、どのような名前を付けても構いませんが、法律上、会社の名称に関する規制があります。

たとえば、会社法上、「会社は、株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社の種類に従い、それぞれその商号中に株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社という文字を用いなければならない。」(会社法6条2項)、「会社は、その商号中に、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。」(同3項)とされています。

 

このように、社名一つにも、様々な法的規制があります。

 

自社の社名を使用し続けることができるのか、きちんと調査してから事業を始めることをお勧めします。

(弁護士 國安耕太)

 

*株式会社全国賃貸住宅新聞社発行の「家主と地主」から取材を受けました(8月号の30ページに掲載されています。)。

 

*本文とは直接関係がありませんが、以前、起業した会社名のメールアドレスを取得した方が、当該メールアドレスを記載した名刺等を作成した後に、メールアドレスの費用を振り込むのを忘れ、当該メールアドレスを取得できていなかったことが発覚した、ということがありました。あまりないとは思いますが、きちんと手続きが完了しているか、慎重に確認するようにしましょう。

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起業塾1:弁護士にいつ相談すればいいのか

最近、起業したての方から、いつ、どの段階で弁護士に相談したらよいのか、よく相談されます。

 

このことについては、様々な考え方があると思います。

ただ、私の答えは、可能な限り速やかに、です。むしろ、起業前に相談していただいてもよいと思っています。

 

近年、企業のコンプライアンス(法令順守)が重視されています。

会社の規模が拡大していくにつれて求められる程度は異なるとしても、起業当初であっても、最低限、当該事業が適法であることが必要です。

 

事業を長期間継続していくためには、会社の信用が重要であることは論を待ちませんが、信用というものは築くのには時間と労力がかかり、失うのは一瞬です。

そして、事業が違法であった場合、会社の信用は一瞬で失われ、これを取り戻すのは著しく困難です。

また、医者と同じで、事前の対策よりも、事後に対応をすると、結果的に大きな費用と労力を割かなければならなくなってしまいます。

 

そのような事態にならないよう、これからやろうとしている事業が適法なのか、ぜひきちんと相談してから、起業し、事業を始めることをお勧めします。

(弁護士 國安耕太)

 

*株式会社全国賃貸住宅新聞社発行の「家主と地主」から取材を受けました(8月号の30ページに掲載されています。)。

 

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値引きが違法?! 2

さて、先週は、値引き表示が、違法となってしまう可能性があるという話をしました。

今週は、具体的にどのような値引き表示に気を付けなければならないかです。

 

まず、1つ目は、他の顧客向けの販売価格と比較対照する二重価格表示を行う場合です。

たとえば、先週ご紹介したセミナーの事例のように、「通常価格 ●●万円、参加者特別価格 ●●万円」といった表示を行うような場合です。

このような二重価格表示自体は、よく用いられている表示ですが、通常価格での購入者がほとんど存在しないようなときは、このような値引き表示が不当表示(景品表示法5条2号*)に該当し、違法となることがあります。

 

また、「標準価格●万円のところ、●月●日~●月●日に限り、●万円」といった表示も、標準価格とされる金額で販売されている期間が限定されているようなときは(標準価格とされる金額の方が例外的なとき)、不当表示(景品表示法5条2号)に該当し、違法となることがあります。

 

2つ目は、過去の販売価格と比較対照する二重価格表示を行う場合です。

たとえば、「通常価格●●●万円 セール価格●●万円」といった表示をしている場合です。

このような場合、通常価格で販売していた期間が相当期間にわたっていないと、不当表示(景品表示法5条2号)に該当し、違法となることがあります。

なお、相当期間とは、原則的に、セール開始時前8週間のうち過半を占めている場合を指すと考えられています。

 

3つ目は、

希望小売価格と比較対照する二重価格表示を行う場合です。

たとえば、「メーカー希望小売価格●●万円の品を●万円」といった表示をしている場合です。

製造業者等が設定・公表している希望小売価格であれば問題とはなりませんが、そうではない場合は、値引き表示が不当表示(景品表示法5条2号)に該当し、違法となることがあります。

 

このように、値引き(表示)をするにあたっては、景品表示法5条2号に十分注意する必要があります。

 

知らないうちに不当表示を行っていた、ということのないようにしましょう。

(弁護士 國安耕太)

 

* 景品表示法5条

「 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。

1 (略)

2 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの

3 (略)」

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値引きが違法?! 1

先日、とあるマーケティングに関するセミナーに参加しました。

内容は非常に面白かったのですが、その中で、一つ気になることがありました。

 

それは、「本セミナー参加者限定で、通常30万円の合宿に3万円で参加できます!」という表現です。

もちろん、この表現自体が直ちに違法となるわけではありません。

 

しかし、高額なセミナー参加者限定での大幅な値引きである等、何らかの特別な事情があるのであればともかく、このセミナーは、無料セミナーで、特別な事情もないようでした。

そうであれば、通常30万円の商品を10分の1の値段で販売することは通常あり得ません。

 

もしかしたら、本来3万円で参加できる合宿を、割安に見せるために「通常30万円」と表現しているのでは・・・と勘ぐってしまいます。

 

不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)は、自己が提供するサービスの販売価格について、実際に販売価格よりも著しく有利であると誤認させる表示を不当表示として禁止しています(景品表示法5条2号*)。

 

そして、他の価格と比較対照する二重価格表示を行う場合は、当該比較対照する価格を事実に基づいて表示する必要があり、比較対照する価格が虚偽のものである場合、不当表示に該当する可能性があります。

また、比較対照する価格が曖昧な場合も不当表示に該当する可能性があります。

 

もし、本来3万円で参加できる合宿を、割安に見せるために「通常30万円」と表現しているような場合は、比較対照する価格が虚偽のものであるとして、不当表示に該当する可能性があります。

 

このように、値引き(表示)は、違法となってしまう可能性があるので注意が必要です。

 

なお、次週は、具体的にどのような値引き表示に気を付けなければならないか、について話を進めていきたいと思います。

(弁護士 國安耕太)

 

* 景品表示法5条

「 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。

1 (略)

2 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの

3 (略)」

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固定残業代制度にご注意を!

最近、主として残業代(割増賃金)請求対策として、固定残業代制度を設けている会社があります。

たとえば、①基本給の中に一定時間数の残業代を含むとしていたり、②一定時間数の残業代に相当する一定の金額を手当で支給する、といった制度を定めている場合です。

 

当然ですが、このような固定残業代制度を就業規則等で設けること自体は、適法です。

しかし、適切な規程の仕方をしていないと、後に裁判になった際に、残業代を含んでいるとはいえない(①の場合)とされたり、当該手当は残業代の支払いとはいえない(②の場合)とされ、残業代として支払われていると認められない可能性があります。

 

具体的な制度設計としては、㋐残業代として支払うことが明確にされており、㋑基本給にあたる部分と残業代にあたる部分とが明確に区別できていることが重要です。

 

また、固定残業代制度は、あくまでも一定時間数の残業代を含んでいるだけですから、当該一定時間数を超えた場合は、超えた分の残業代を支払う必要があります。

当該一定時間数を超えているにもかかわらず、超えた分の残業代が支払われていない場合、残業代として支払われていると認められない可能性があります。

 

このように、固定残業代制度を設ける場合には、その規程の仕方に十分注意する必要があります。

固定残業代制度を設ける場合は、ぜひ一度弁護士、社会保険労務士等の専門家に相談してみることをお勧めします。

(弁護士 國安耕太)

 

 

 

 

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会社に損害を加えた従業員に対し、損害賠償請求できるか

従業員が、会社に損害を加えた場合、会社は、当該従業員に対し、損害賠償請求できるのでしょうか。

たとえば、従業員が、社用車を運転中、物損事故を起こした場合に、当該従業員に対し、その損害全額の賠償を求めることはできるのか、相談を受けることがあります。

 

従業員が会社に対し、損害を加えた場合、その損害を賠償する責任が生じます。

しかし、会社は、従業員の活動によって利益を得ていますから、従業員の活動によって被った損害についても、一定程度負担すべき、とするのが判例・通説の考え方です。

具体的には、最判昭和51年7月8日(民集第30巻7号689頁)は、

「使用者は、その事業の性格、規模、施設の状況、被用者の業務の内容、労働条件、勤務態度、加害行為の態様、加害行為の予防若しくは損失の分散についての使用者の配慮の程度その他諸般の事情に照らし、損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる限度において、被用者に対し右損害の賠償または求償の請求をすることができる」

と判示しています。

 

したがって、従業員が、社用車を運転中、物損事故を起こした場合であっても、会社が、当該従業員に対して請求できる損害賠償請求は、信義則上相当と認められる限度に制限されます。

 

なお、上記はあくまでも、会社と従業員間の内部分担の問題です。

会社は、物損事故の被害者に対して、直接責任を負います(民法715条1項、使用者責任)。

従業員が責任を負うことを理由に、第三者に対する賠償義務を免れることはできませんので注意が必要です。

(弁護士 國安耕太)

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業務委託契約の基礎

今週木曜日(平成28年1月14日)午後6時30分から、第4回企業法務セミナー「契約書を学び 、攻めの経営を!」を開催いたします。

今回は、取引の基本、業務委託契約を題材に、①契約の基本、②リーガルチェックのポイント、③具体的な条項の検討等を解説いたします。

 

さて、セミナーで取り上げる業務委託契約ですが、一番のポイントは、「業務委託」という概念自体が非常に曖昧なところにあります。

システムの開発業務委託、清掃業務委託、経理業務委託、駐車場の管理業務委託、講師業務委託、商品販売業務委託・・・などあらゆる業務を委託することができます。

誰か(委託者)が、誰か(受託者)に、業務を委託する取引を、「業務委託」と一括りにしているため、同じ「業務委託契約」という名称であっても、どのような事項を定めておかなければならないのかも変わってきてしまいます。

このように、業務委託契約といっても、契約ごとに検討しなければならない事項が異なってくる、というのが最大の特徴です。

 

では、どのように考えていけば良いのか・・・ポイントは、「仕事の完成」を目的としているか否かです。

詳細は、セミナーでお話ししますので、内容が気になる方は、ぜひご参加ください。

なお、参加特典(リーガルチェックシート)もご用意していますので、お楽しみに!

(弁護士 國安耕太)

 

*第4回企業法務セミナー『契約書を学び、攻めの経営を!』

開催日時:2016年1月14日(木)18:30 ~ 21:00

場所:知恵の場オフィス  セミナールーム

〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-4-7

イマス浜田ビル5階(新宿駅から徒歩6分)

地図⇒http://exwill.jp/chienoba/access/

参加資格:契約書の基本を学びたい経営者、総務・法務担当者

定員:20名

会費:5000円(懇親会費別)

 

*昨年末に受けた取材に関する記事が、ヤフーニュースに掲載されました。

ぜひご一読ください。

*http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160102-00004124-bengocom-soci

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契約書の意義4

今回は契約書の意義4です。

 

さて、前回、契約書には、①契約内容の証拠化、②契約内容の明確化、③民法、会社法等の規定の変更・排除という意義がある、というお話をしました。

(http://north-blue-law.com/blog-child/%e5%a5%91%e7%b4%84%e6%9b%b8%e3%81%ae%e6%84%8f%e7%be%a9%ef%bc%93/)

 

これは、

①口頭では、どのような約束があったのか分からなくなってしまうため、これを防ぐ・・・契約内容の証拠化

②契約書は誰が見ても契約内容を理解できるようにする・・・契約内容の明確化

③特約がない限り、民法等の規定が適用されてしまうため、契約書に特約を記載する・・・民法、会社法等の規定を変更・排除

ということでしたね。

 

ただ、これについては、

「これまで契約書なんてなくても問題なかった・・・」

「信頼できる相手としか商売をしていないから・・・」

契約書なんて不要、と考えている方もいるかもしれません。

 

たしかに、今後もこれまでとまったく同じ取引先とだけ商売をしていくことで足りるのであれば、それでも構わないかもしれません。

しかし、世の中は刻一刻と変化していますから、そのような保証はどこにもありません。

 

また、取引相手と紛争になった場合、最終的には裁判所で決着をつけることになります。

しかし、裁判所は、正しい側を勝たせる機関ではありませんし、真実を探求してくれる機関でもありません。

 

あくまでも、当事者の提出した証拠に基づいて、どちらの主張が確からしいか、を判断する機関にすぎません。

当事者の提出した証拠のみで、請求が認められるかどうかが決まります。そこに情けはありません。

自分の権利を守るためには、きちんと証拠、すなわち必要な事項が網羅されている契約書等を準備しておかなければならないのです。

(弁護士 國安耕太)

 

*セミナーを開催します。

①第8回JSH交流会(ミニセミナー付き)

『人事・総務・法務のための交流会』

開催日時:12月3 日(木)19~22時

場所:フレンチバル&レストランジェイズ

TEL 03-3365-0341

東京都新宿区歌舞伎町1-1-16 テイケイトレードビルB1

参加資格:人事、総務、法務担当者の方など( 経営者、役員、管理職の方もご興味のある方ならOK)

定員:30名(残席2席)

会 費(飲食代込み):事前申込 5500円 当日申込 6500円

 

②第4回企業法務セミナー『契約書を学び、攻めの経営を!』

開催日時:2016年1月14日(木)18:30 ~ 21:00

場所:知恵の場オフィス  セミナールーム

〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-4-7

イマス浜田ビル5階(新宿駅から徒歩6分)

地図⇒http://exwill.jp/chienoba/access/

参加資格:契約書の基本を学びたい経営者、総務・法務担当者

定員:20名

会費:5000円(懇親会費別)

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契約書の意義3

2週連続で契約書の意義について解説してきましたが、今回は契約書の意義3です。

 

まず、先週の復習です。

契約書には、

①口頭では、どのような約束があったのか分からなくなってしまうため、これを防ぐ・・・契約内容の証拠化

②契約書は誰が見ても契約内容を理解できるようにする・・・契約内容の明確化

という意義がある、ということをお伝えしました。

(http://north-blue-law.com/blog-child/%e5%a5%91%e7%b4%84%e6%9b%b8%e3%81%ae%e6%84%8f%e7%be%a9%ef%bc%92/)

 

しかし、契約書には、もう一つ大きな意義があります。

 

それは、③民法、会社法等の規定を変更・排除する、ということです。

 

・・・といっても、ピンとこないかもしれません。

このことを理解するためには、民事法(私法)の世界観を理解しておく必要があります。

 

民法、会社法等、私法上の法律関係については、原則として、個人が自由意思に基づき自律的に形成することができるという、私的自治の原則が採用されています。

そのため、当事者間にトラブル(紛争)が発生した場合、その処理について予め取り決めがあれば、その取り決め(=特約)に従って処理されることになります(=上記私的自治の原則)。

 

ただ、すべての事象を予測して、すべてについて特約をしておくことは現実的ではありません。

そこで、民法等は、この様に特約のない事項についての解決方法を定めているのです。

 

このように、特約がない限り、民法等の規定が適用されてしまうため、契約書に特約を記載することによって、③民法、会社法等の規定を変更・排除することができます。

 

このように、契約書には、①契約内容の証拠化、②契約内容の明確化、③民法、会社法等の規定の変更・排除という意義があります。

契約書をチェックする際は、この3つの意義から考えていくことが重要です。

 

具体的にどのような点に着目するかについては、ぜひ後記のセミナーを聞きに来てください(笑)。

(弁護士 國安耕太)

 

*第8回JSH交流会(ミニセミナー付き)

『人事・総務・法務のための交流会』

開催日時:12月3 日(木)19~22時

場所:フレンチバル&レストランジェイズ

TEL 03-3365-0341

東京都新宿区歌舞伎町1-1-16 テイケイトレードビルB1

参加資格:人事、総務、法務担当者の方など( 経営者、役員、管理職の方もご興味のある方ならOK)

定員:30名

会 費(飲食代込み):事前申込 5500円 当日申込 6500円

 

*第4回企業法務セミナー『攻める契約書を学ぶ!』

開催日時:2016年1月14日(木)18:30 ~ 21:00

場所:知恵の場オフィス  セミナールーム

〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-4-7

イマス浜田ビル5階(新宿駅から徒歩6分)

地図⇒http://exwill.jp/chienoba/access/

参加資格:契約書の基本を学びたい経営者、総務・法務担当者

定員:20名

会費:5000円(懇親会費別)

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契約書の意義2

先週に引き続き、今回も契約書の意義について考えてみましょう。

 

まず、先週の復習ですが、

㋐一部の契約を除き、契約が成立するために、契約書は必要不可欠なものではないが、

㋑口頭では、後々、どのような約束があったのか分からなくなってしまうため、

㋒重要や契約については、契約書という「書面」を作成することによって、契約の「内容を証拠化」し、将来的な「紛争を回避」していくことが重要

ということでしたね。

(http://north-blue-law.com/blog-child/%e5%a5%91%e7%b4%84%e6%9b%b8%e3%81%ae%e6%84%8f%e5%91%b3/)

 

では、ただ契約書という「書面」を作成して、契約の「内容を証拠化」すれば、将来的な「紛争を回避」することができるのでしょうか。

 

上記のとおり、ここで契約書という「書面」を作成して、契約の「内容を証拠化」するのは、口頭では、どのような約束があったのか分からなくなってしまうため、これを防ぐことにあります。

すなわち、契約書という「書面」を作成することによって、どのような約束があったのかを明らかにする、という目的があります。

 

しかし、契約書という「書面」があっても、契約書を読んでその内容がわからなければ、「どのような約束があったのか、結局よく分からない」、なんてことも起こりえます。

 

そこで、「契約書は誰が見ても理解できるように作成する」必要があります。

 

このように、契約書には、将来的な「紛争を回避」するため、①契約の「内容を証拠化」するだけでなく、②契約の「内容を明確化」する、という意義があります。

 

さて、このように、契約書には、①契約内容の証拠化、②契約内容の明確化という意義がありますが、実はもう一つ大きな意義があります。

これについては、次回解説いたしますので、少し考えてみてください。

(弁護士 國安耕太)

 

*セミナーを開催しています。お時間のある方は、ぜひご参加ください。

①第8回JSH交流会(ミニセミナー付き)

『人事・総務・法務のための交流会』

開催日時:12月3 日(木)19~22時

場所:フレンチバル&レストランジェイズ

TEL 03-3365-0341

東京都新宿区歌舞伎町1-1-16 テイケイトレードビルB1

参加資格:人事、総務、法務担当者の方など( 経営者、役員、管理職の方もご興味のある方ならOK)

定員:30名

会 費(飲食代込み):事前申込 5500円 当日申込 6500円

 

②第8回想続セミナー~想い続ける~

開催日時:11月19日(木)19時~21時

場所:東京都港区新橋1-18-19

キムラヤオオツカビル7階

定員:15名

会費:2000円(税込)

 

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契約書の意義

突然ですが、契約書は、一体何のためにあるのでしょうか。

 

もちろん、契約をするためですよね。

でも、契約書を作成しなければ、契約は成立しないのでしょうか。

 

実は、契約が成立するために、契約書は必要不可欠なものではありません(例外はありますが。*1)。

すなわち、契約は、申込の意思表示と、承諾の意思表示の合致があれば、それだけで成立します。

 

みなさんも、普段の生活のなかで、多数の契約を締結しているはずです。

たとえば、コンビニでお菓子を買う、これは法的には売買契約です。

また、切符を買って電車に乗る、これは法的には運送契約です。

 

このように私たちは、生活のなかで、沢山の契約を締結しているのです。

 

しかし、口頭では、後々、どのような約束があったのか分からなくなってしまうことがあります。

 

そこで、重要や契約については、契約書という「書面」を作成することによって、契約の「内容を証拠化」し、将来的な「紛争を回避」していくことが重要になります。

 

それでは、契約書のどこを見ていけばいいのでしょうか。

続きは、本年12月3日(木)19時~第8回JSH交流会にて、『リーガルチェックのポイント~秘密保持契約書を題材に~』というミニセミナーを実施しますので*2、ぜひ聞きに来てください。

(弁護士 國安耕太)

 

*1

たとえば、保証契約については、「保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。」(民法446条2項)とされています。

 

*2

第8回JSH交流会(ミニセミナー付き)

『人事・総務・法務のための交流会』

開催日時:平成27年12月3 日(木)19:00~ 22:00

場所:フレンチバル&レストランジェイズ

TEL 03-3365-0341

東京都新宿区歌舞伎町1-1-16 テイケイトレードビルB1

参加資格:人事、総務、法務担当者の方など( 経営者、役員、管理職の方もご興味のある方ならOK)

定員:30名

会 費(飲食代込み):事前申込 5500円 当日申込 6500円

 

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損害賠償と不可抗力

先日(平成27年8月14日)、中華人民共和国の天津市で大規模な爆発があり、これを受けて現地に工場を有しているトヨタ自動車が3日間操業を停止する、との報道がありました*。

 

さて、このような事情で操業が停止し、約束の期日に商品を納入できなかった場合、商品を納入する側(上記では、トヨタ自動車)は、何らかの損害賠償責任を負うのでしょうか。

 

この点につき民法は、「債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。」(415条1項)と定めています。

つまり、損害賠償義務が生じるのは、あくまでも、債務者が、「その債務の本旨に従った履行をしないとき」に限定されます。

そのため、債務者が履行をしたくてもできないとき、いわゆる不可抗力の場合は、損害賠償責任を負いません。

 

そして、大規模な爆発によって、操業停止に追い込まれたという事情は、この不可抗力にあたるといえます。

したがって、商品を納入する側(上記では、トヨタ自動車)は、損害賠償責任を負わない、ということになるでしょう。

 

これに対し、金銭債務の場合、民法上「債務者は、不可抗力をもって抗弁とすることができない。」(419条3項)とされていますので、注意が必要です。

 

なお、契約書の中には、通常不可抗力とはいえないストライキや輸送機関の事故を不可抗力に含めていることがあります。

自身が、商品を納入する側であれば、有利な規定ですが、商品を購入する側の場合、不利な規定となります。

 

契約書を作成・締結するにあたっては、条項の意味・内容に十分注意するようにしてください。

(弁護士 國安耕太)

* http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150816-00050050-yom-bus_all

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続・債権管理のススメ

先日(平成27年7月9日)、アミエージェンシー社会保険労務士事務所・アミエージェンシー株式会社と共催で、「事業拡大と会社の守りを両立しよう!( 第2回企業法務セミナー)」を開催しました。

当初の定員20名を大幅に超える33名の方にお申し込みをいただき、急遽座席数を増やして、実施いたしました。

お忙しい中、ご出席いただいたみなさまに感謝すると共に、ぜひ今後の会社経営に活かしていただけたら幸いです。

 

さて、上記セミナーでも触れましたが、債権回収のポイントは、事前準備・債権管理をきちんとしたうえで、取引先に対し、興味を持ち続け、情報を収集し続けることです。

 

債権回収(売掛金の回収)が出来ないことは、会社にとって最悪の事態です。

いかに高額な売掛金が存在しているとしても、会社の現預金が尽きてしまえば、会社は立ち行かなくなってしまいます。

しかし、何の準備もせずに、危機状態にある相手方から、債権を回収することなど、基本的にはできません。

取引開始前に、相手方の登記事項証明書やインターネットの情報を確認するだけでも、売掛金を回収できないというリスクは低減することができます。

また、取引開始時に、相手方の決算書を分析したうえで、契約書を作成し、担保をとれば、売掛金の回収可能性が上がります。

ただし、自社を取り巻く環境は、刻一刻と変化していっていますから、取引開始時には問題がなかったとしても、債権回収時には信用に不安が生じている、ということも珍しくありません。

 

事前準備・債権管理をきちんとするとともに、売掛先の信用不安を表わす徴候(主要な取引先が倒産・契約打切りになった、中心的な社員・従業員が退任・退職した等)を見逃さないよう、情報収集を怠らないようにしましょう。

(弁護士 國安耕太)

 

 

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債権管理のススメ

当事務所は、社員数10~200名程の顧問先企業のリスク管理・労務管理を中心に業務を行っていますが、顧問先企業から、知り合いの中小企業をご紹介いただき、ご相談を受けることがあります。

その中で、最もよくご相談を受ける案件の一つが、売掛金の回収です。

 

売掛金の回収が出来ないことは、会社にとって最悪の事態です。

いかに高額な売掛金が存在しているとしても、会社の現預金が尽きてしまえば、会社は立ち行かなくなってしまいます。

 

しかし、売掛先が倒産の危機に瀕してから、債権者が取りうる手段はごくわずかです。

売掛金の回収率を上げるためには、「事前に」きちんと対策(リスク分析)をし、支払が完了するまで継続的に管理(債権管理)していくしかありません。

 

取引にあたって、事前にリスクを分析し、継続的に債権を管理しておくことは、会社を守るために必要不可欠なものなのです。

(弁護士 國安耕太)

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会社の生存率

みなさんは、会社の生存率をご存知ですか?

これは、設立された会社が、何年後まで存続しているか、という統計をとったものです。

 

中小企業庁は、毎年、中小企業を取り巻く状況などを「中小企業白書」としてまとめ、公表していますが*1、2011年度版中小企業白書に、会社(企業)の生存率についての記載があります*2。

 

この記載によれば、5年で82%、10年で70%の生存率とされています。

ただ、同じ中小企業白書でも2006年度版*3では、5年で41.8%、10年で26.1%の生存率となっています。

他方、インターネット上では、5年で15%、10年で6%の生存率であるとする説もあります*4。

 

いずれにしても、長期にわたり会社を存続させていくこと、すなわち安定的に利益を上げ続けることは、容易ではありません。

特に、リスクに対する意識が低い会社は、不安定な取引先と契約を交わし、取引先の資金状況の悪化や倒産により売掛金が回収できない事態が発生することが多いです。

 

ぜひリスクを適切にコントロールして、10年後も発展し続ける会社を目指してください。

なお、当事務所代表弁護士國安耕太が、きたる7月9日(木)18:30から、「事業拡大と会社の守りを両立できるようになる!第2回企業法務セミナー」にて講演いたします。

会社の利益拡大のために押さえるべき取引先の見極め方・付き合い方・契約書の作り方や、売掛金が回収できないトラブルが発生した時の対策等について、解説する予定ですので、ご興味のある方はぜひご参加ください。

 

【セミナー詳細】

[日 時]7月9日(木) 18:30~21:00 (開場:18:15~)

[会 場]東京都新宿区西新宿7-4-7 イマス浜田ビル5階

[参加費]税込5000円

[お支払]当日受付にて現金でお支払下さい。

[定 員]先着10名(1社2名までとさせていただきます。受付にて各名刺2枚をご提出下さい)

[キャンセルについて]準備の都合上、参加申込み後のキャンセルは 7月2日 (木) までにご連絡下さい。 以降にキャンセルされる場合キャンセル料をいただきます。

[講師]弁護士 國安耕太(ノースブルー総合法律事務所代表)平成20年弁護士登録 (第一東京弁護士会)/中央大学法科大学院実務講師、中央大学法学部兼任講師/2014年 財務省税関研修所 委託研修講師(知的財産法)その他セミナー実績多数/

(弁護士 南部弘樹)

*1

http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/index.html

*2

http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/h23/h23_1/Hakusyo_part3_chap1_web.pdf#search=’%E4%B8%AD%E5%B0%8F%E4%BC%81%E6%A5%AD%E7%99%BD%E6%9B%B8+%E7%94%9F%E5%AD%98%E7%8E%87′

*3

http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/h18/H18_hakusyo/h18/html/i1220000.html

*4

http://broadnakanishi.blog118.fc2.com/blog-entry-68.html

 

 

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情報漏えい事故が会社に与える影響

昨日(平成27年6月1日)、外部からの不正アクセスによって、日本年金機構が保有する約125万件の個人情報が外部に流出したとの報道がありました*1*2。

 

昨年も、ベネッセホールディングスの情報漏えい事故が社会的に大きな問題となりました。

ベネッセは、情報を盗まれた、いわば被害者ともいえる立場ですが、個人情報が流出した顧客へのお詫び費用等で総額306億円の特別損失を計上したほか、国内通信教育講座「進研ゼミ」等の会員数が前年比で約25%減るなど、金銭的な損害だけでなく、会社としての信用についても大きな損害を被っています*3。

 

先日(平成27年5月14日)、当事務所主催の第4回労務管理セミナーで、情報管理の実務と情報漏えいが起きたらどのように対応すべきか等について講演をしましたが、やはり情報漏えいが会社に与えるダメージは、甚大と言わざるを得ません。

 

そして、消費者庁が公表している「平成25年度 個人情報の保護に関する法律施行状況の概要(平成26年10月)」*4によれば、ここ5年くらいは、毎年300~500件の情報漏えい事故が起きているとされていますので、決して他人事ではありません。

 

また、情報漏えい事故の恐ろしいところは、第三者の不正アクセス等、第三者の加害行為によって情報漏えいが起きてしまったとしても、不正アクセスを防止するために必要な措置をとっていなかったことを理由に、損害賠償義務が認められてしまう可能性があることです。

過去にも、宇治市の住民基本台帳データが外部に漏えいした事案において、宇治市には、データの管理に万全を尽くすことが要請されていたというべきとして、1人あたり1万5000円の損害賠償義務が認められた事案があります(京都地判平成13.2.23、判例地方自治 265号17頁)。

 

情報管理システムを構築するだけでなく、継続的に運用をチェックすることおよび情報漏えいが発生したら、直ちに弁護士等の専門家に相談することが重要といえます。

(弁護士 國安耕太)

 

*1

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150601-00000111-mai-soci

*2

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150601/k10010099511000.html

*3

http://mainichi.jp/select/news/20150502k0000m020121000c.html

*4

http://www.caa.go.jp/planning/kojin/pdf/25-sekou.pdf#search=’%E3%80%8C%E5%B9%B3%E6%88%90%EF%BC%92%EF%BC%95%E5%B9%B4%E5%BA%A6+%E5%80%8B%E4%BA%BA%E6%83%85%E5%A0%B1%E3%81%AE%E4%BF%9D%E8%AD%B7%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E6%B3%95%E5%BE%8B%E6%96%BD%E8%A1%8C%E7%8A%B6%E6%B3%81%E3%81%AE%E6%A6%82%E8%A6%81%E3%80%8D’

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JASRACと独占禁止法

先日(平成27年4月28日)、テレビやラジオで使われる楽曲の著作権管理事業を巡り、日本音楽著作権協会(JASRAC)の契約方法が独占禁止法違反(私的独占)にあたるかどうかが争われた訴訟の最高裁判決が出されました*1。

 

新聞報道等では、JASRACの独占禁止法違反が認められたとの記載もありますが、正確には、本判決は、JASRACの契約方法が「他の管理事業者の本件市場への参入を著しく困難にする効果を有する」との判断を示したにすぎず、独占禁止法違反を認めたものではありません。

 

独占禁止法3条は、「事業者は、私的独占又は不当な取引制限をしてはならない。」と定め、私的独占を禁止していますが、この「私的独占」とは、「事業者が、単独に、又は他の事業者と結合し、若しくは通謀し、その他いかなる方法をもつてするかを問わず、他の事業者の事業活動を排除し、又は支配することにより、公共の利益に反して、一定の取引分野における競争を実質的に制限することをいう。」とされています(独占禁止法2条5項)。

 

大雑把にいえば、「私的独占」にあたるためには、①他の事業者の事業活動を排除する行為と②一定の取引分野における競争の実質的制限という2つの要件を満たす必要がある、ということです。

 

そのため、本判決は、判決末尾にて、

㋐JASRACの契約方法は、特段の事情のない限り、自らの市場支配力の形成、維持ないし強化という観点からみて正常な競争手段の範囲を逸脱するような人為性を有する

㋑したがって、①他の事業者の事業活動を排除する行為という要件の該当性につき、特段の事情の有無を検討の上、

㋒上記要件の該当性が認められる場合には、②一定の取引分野における競争を実質的に制限するものに該当するか否か

など、同項の他の要件の該当性が審理の対象になるとしています。

 

本件は、公正取引委員会で、再度審理されることになっています。

今後の判断が楽しみです。

(弁護士 國安耕太)

 

*1 http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/064/085064_hanrei.pdf

 

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会社の不祥事と取締役の責任

早いもので、本日(3月23日)で、35歳になりました。

これまで大きな病気もなく、健康でこれたことおよび不安なく仕事に打ち込める環境を整えてくれていることを両親・義母そして家族に感謝します。

また、公私に渡り支援してくれる諸先輩方、事務所の仲間そして友人達に深く感謝します。

みなさま、これからもご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

 

さて、先日来、東洋ゴム工業株式会社(以下「東洋ゴム」)の販売する、免震ゴムの性能偽装問題が話題となっています。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150321-00000556-san-soci

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150322-00050109-yom-soci

 

事実関係については、まだ明らかになっていない部分も多いですが、一部の報道では、偽装問題が発覚した後も、出荷をしていたとされています。

 

本件では、東洋ゴムの取締役等の役員が、偽装の事実を認識していたのかは明らかではありません。

しかし、仮に、偽装の事実を認識していたにもかかわらず、これを公表していなかったような場合には、取締役等に損害賠償責任が課される可能性があります。

 

実際、過去の裁判例では、食品衛生法上、使用の認められていない添加物を使用した商品が販売されていたことを認識したにもかかわらず、その事実を公表しなかった取締役等に、巨額の損害賠償責任が認められたものがあります(大阪高判平成18年6月9日判時1979号115頁、ダスキン肉まん事件)。

 

もちろん、会社経営に損失はつきものであり、会社に損失(損害)が生じたからといって、常に取締役に損害賠償責任が生じるわけではありません。

ただ、経営上の判断の内容およびその決定過程に不合理な点が存する場合は、取締役の善管注意義務(会社法330条・民法644条)、忠実義務(会社法355条)に違反すると判断され、損害賠償責任を負う可能性があります。

 

たしかに偽装のような不祥事に関する事実は、会社の評判を毀損するものですから、これを隠したくなる心理はわからないでもありません。

しかし、上記のとおり、事実の隠匿は、損害賠償責任を負わされる可能性があります。

また、過去の不祥事事案をみる限り、不祥事を起こしたことそのものよりも、その後の対応の悪さ(隠匿、ごまかし、開き直り等)による影響の方が大きいといえます。

 

いずれにしても、不祥事が起きた際は、初動が大事です。

速やかに弁護士等の専門家に相談し、対応するようにしてください。

(弁護士 國安耕太)

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白斑問題と製造物責任

1 先日、東京都内に住む女性が、9月18日、化粧品会社であるK社に対し、K社の美白化粧品で肌がまだらに白くなる白斑症状が出たとして、約4800万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴したとのニュースが配信されました。

 

訴状の内容が公開されていませんので、この女性がどのような法的根拠に基づいて損害賠償を求めているのかは不明ですが、一般的にこのような場合、どのような法的根拠に基づいて、損害の賠償を請求できるのでしょうか。

 

2 まず、①会社に対し、製造物責任法に基づき損害賠償請求をすることが考えられます。

すなわち、製造物責任法は、「製造業者等は、その製造、加工、輸入・・・した製造物であって、その引き渡したものの欠陥により他人の生命、身体又は財産を侵害したときは、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずる。」(3条)と定めています。本件でも、K社の美白化粧品の欠陥により、白斑症状が出たということが立証できれば、K社は、それにより生じた損害を賠償する責任があります。

 

つぎに、②会社に対し、民法709条、710条の規定に基づき損害賠償(慰謝料)を請求することも考えられます。

 

さらに、③K社の役員等が、自社の製品によって白斑症状が出ることを知りながら放置していたような場合には、役員等に対し、損害賠償請求(会社法429条)することができる場合もあります。

 

3 近時、上記のような法的根拠に基づき、製造物責任を問う訴訟が増えています。たとえば、お茶を原材料とした石鹸を使用したことで多数の方が小麦アレルギーを発症してしまったという事件は、記憶に新しいところと思いますが、この事件では、北は北海道から南は沖縄まで、各地で被害者弁護団が結成され、各地の裁判所に提訴されています。

 

また、過去には、化粧品を使用したことにより、その顔面などに接触性皮膚炎を生じたとして、製造・販売会社に対して、化粧品に指示・警告上の欠陥が存在したなどと主張して、製造物責任法(2条、3条)又は不法行為(民法709条)による損害賠償請求を行った事案があります。

この事案について東京地裁は、化粧品の使用と皮膚障害が生じた製品事故について因果関係を肯定したものの、右事故について化粧品の製造業者の警告上の欠陥を否定して、原告の請求を棄却しています(東京地判平成12.5.22判例時報1718号3頁)。

 

このほか、化粧品に関する事案ではありませんが、製造物責任を問題とした有名な裁判例として、こんにゃく入りゼリーを子供(当時1歳9か月)が食べ、喉に詰まらせて窒息死したことついて、亡くなった子供の両親が、製造会社及び役員等に対し、製造物責任法(3条)又は不法行為(民法709条、会社法429条)等による損害賠償請求を求めた事案(大阪高判平成24.5.25)もあります。

この事案について大阪高裁は、こんにゃくゼリーによる窒息事故の危険性は、食品自体の危険性ではなく、食べ方に起因して発生する危険であり、本件事故当時,本件警告表示が不十分であって,本件こんにゃくゼリーが通常の安全性を欠くとまではいえないなどとして、控訴人らの各控訴をいずれも棄却しました。

 

4 上記のとおり、化粧品やこんにゃくゼリーの事案では、製造物自体に欠陥があるということを立証できず、会社等の損害賠償責任は認められませんでした。

しかし、会社等にとっては、このような事件が起こると、製造物の回収・調査のため費用を支出しなければならなくなりますし、このような訴訟を提起されること自体が、風評被害等のリスクを生じます。

また、製造物の欠陥が明らかな場合には、予想外に高額な賠償金を支払わなければならなくなることもあります。

 

ぜひ今回の白斑問題を他山の石として、自社製品を改めてチェックするとともに、不具合等の社内報告および社外からのクレームを吸い上げるようなシステムを構築しましょう。

(弁護士 國安耕太)

 

 

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