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2016年10月の投稿

起業塾11:社内体制の整備2(労働条件明示義務)

会社が、労働者と労働契約を締結する場合、会社は労働者に対し、賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければなりません(労働基準法15条1項)。

 

そして、つぎの6項目に関しては、書面で明示しなければなりません(労働基準法15条1項、労働基準法施行規則5条2項・3項・1項1ないし4号の2)。

①労働契約の期間に関する事項

②期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項

③就業の場所及び従事すべき業務に関する事項

④始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項

⑤賃金(退職手当及び第五号に規定する賃金を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項

⑥退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

 

また、つぎの⑨項目に関しても、書面または口頭等で明示しなければなりません(労働基準法15条1項、労働基準法施行規則1項)。

①昇給に関する事項

②退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項

③臨時に支払われる賃金(退職手当を除く。)、賞与及び第八条各号に掲げる賃金並びに最低賃金額に関する事項

④労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項

⑤安全及び衛生に関する事項

⑥職業訓練に関する事項

⑦災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項

⑧表彰及び制裁に関する事項

⑨休職に関する事項

 

この労働条件明示義務に違反した場合、会社は30万円以下の罰金に処せられる可能性があります(労働基準法120条1号・15条1項)。

また、明示された労働条件が事実と相違する場合、労働者は、即時に労働契約を解除することができるとされている点にも注意が必要です(労働基準法15条2項)。

(弁護士 國安耕太)

 

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起業塾10:社内体制の整備1(労働契約と雇用契約)

会社がその事業を発展させていくためには、優秀な従業員を確保し、継続的に事業を担ってもらうことが必要不可欠です。

その際に、会社と従業員との間で締結される労働の提供に関する契約が、労働契約です。

 

ここで、「あれ?労働契約という言葉も聞いたことがあるけれど、雇用契約という言葉もあったような気がする。」

という方もいらっしゃるかもしれません。

 

そうなんです。

労働契約という概念とは別に、雇用契約という概念もあります。

 

まず、雇用契約とは、「当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対してその報酬を与えることを約する」契約です(民法623条)。

これに対し、労働契約とは、「労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者および使用者が合意することによって成立する」契約です(労働契約法6条)。

 

定義だけ見ると、「同じものなのでは?」と思うかもしれませんが、厳密には、労働契約と雇用契約とは別のものです。

ただ、会社と従業員との間で締結される労働の提供に関する契約は、一般的には、労働契約かつ雇用契約です。

そして、労働契約に該当する場合、労働契約に関する規定が雇用契約に関する規定に優先して適用されます。

そのため、通常、両者を区別する必要は、あまりありません。

 

しかし、労働契約法や労働基準法は、同居の親族のみを使用する場合には、適用されない旨を明記しています*。

そのため、同居の親族のみを使用しているような会社の場合は、労働契約ではなく、雇用契約として、民法の規定のみが適用されることになります。

 

なお、労働契約に該当する場合、労働契約法のほか、労働基準法、労働組合法、労働関係調整法、最低賃金法、労働安全衛生法等様々な労働にまつわる法律による規制を受けるので注意が必要です。

(弁護士 國安耕太)

*

労働契約法22条2項

この法律は、使用者が同居の親族のみを使用する場合の労働契約については、適用しない。

 

労働基準法106条2項

この法律は、同居の親族のみを使用する事業及び家事使用人については、適用しない。

 

*第10回JSH交流会(ミニセミナー付き)を開催いたします。

『人事・総務・法務のための交流会』

開催日時:10月21 日(金)19~22時

場所:フレンチバル&レストランジェイズ

TEL 03-3365-0341

東京都新宿区歌舞伎町1-1-16 テイケイトレードビルB1

参加資格:人事、総務、法務担当者の方など(経営者、役員、管理職の方もご興味のある方ならOK)

定員:30名

会 費(飲食代込み):6000円

 

*経営者交流会「落合会(仮称)」

開催日時:11月9日(水)19:00~21:00

会場:五反田ワイン酒場「マルミチェ」2F

住所:品川区西五反田1-4-8

定員:36名

会費:6000円前後

 

*第5回企業法務セミナーを開催いたします。

『あなたの知識が会社を守る!労務管理の基本を習得し、労務リスク対策を』

※労務管理の基本 雇用と業務委託契約の使い方編

開催日時:11月25 日(金)18:30~21:00(18:15開場)

場所:レアルセミナールーム 新宿区西新宿1-3-13 Zenkan PlazaⅡ7F

対象:経営者、総務・法務担当者

定員:20名(1社2名様まで。定員になり次第締め切らせていただきます。受付にてお名刺2枚をご提出ください。)

参加費:5000円

申込・お問合わせ先:アミエージェンシー㈱セミナー事務局 担当:井上 TEL03-5940-3450

 

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起業塾9:知的財産権の活用5(著作権法)

著作権法は、著作物ならびに実演、レコード、放送および有線放送に関し著作者の権利およびこれに隣接する権利を保護する法律です(著作権法1条)。

著作権法が主として規定しているのは、著作物に関する著作者の権利ですが、この定義のとおり、著作者の権利に隣接する権利(著作隣接権)についても規定されているのが特徴です。

 

ここで著作物とは、思想または感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術または音楽の範囲に属するものをいい(著作権法2条1項1号)、著作物を創作する者を著作者といいます(著作権法2条1項2号)。

 

そして、著作権法は、著作者は、著作者人格権および著作権を享有すると定め(著作権法17条1項*)、著作者人格権(18条以下)と著作権(21条以下)をそれぞれ規定しています。

 

著作者人格権は、著作物を公表するかどうか(公表権、18条)ならびに公表示に氏名を表示するかどうか(氏名表示権、19条)を決定できる権利および著作物の内容を改変されない権利(同一性保持権、20条)があります。

 

一方、著作権は、複製権(21条)、公衆送信権(23条)、翻案権(27条)等様々な10の権利の集合体で、それぞれの権利を個別に譲渡することも可能です。

 

そして、著作権者(譲渡されない限り、著作者が著作権者です。)の許諾を得ずに、著作権の対象となる行為をした場合、著作権侵害となります。

 

なお、著作権侵害がなされた場合、著作権者は、差止請求(著作権法112条)、損害賠償請求(民法709条)、信用回復請求(著作権法115条)等をすることが認められています。

 

著作権は、権利の対象が広く、また、著作権の制限規定(30条以下)や著作隣接権が存在している等、様々な考慮をする必要があります。

自社にかかわる権利をきちんと管理するとともに、著作物を利用する際は、権利関係をよく調査・確認するようにしてください。

(弁護士 國安耕太)

 

*

著作権法17条1項

著作者は、次条第一項、第十九条第一項及び第二十条第一項に規定する権利(以下「著作者人格権」という。)並びに第二十一条から第二十八条までに規定する権利(以下「著作権」という。)を享有する。

 

*第10回JSH交流会(ミニセミナー付き)を開催いたします。

『人事・総務・法務のための交流会』

開催日時:10月21 日(金)19~22時

場所:フレンチバル&レストランジェイズ

TEL 03-3365-0341

東京都新宿区歌舞伎町1-1-16 テイケイトレードビルB1

参加資格:人事、総務、法務担当者の方など(経営者、役員、管理職の方もご興味のある方ならOK)

定員:30名

会 費(飲食代込み):6000円

 

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起業塾8:知的財産権の活用4(商標法)

商標法は、特定の商品またはサービスを示すマーク等(標章)*を保護する法律です。

 

商標法は、商標権者は、登録商標の使用をする権利を専有する(商標法25条本文)と定め、商標権者に一定期間(10年)、その商標を独占的排他的に使用できる権利を認めています。

そのため、第三者が権原なく、商標を使用した場合、商標権侵害に該当します。

 

ただ、実務上、登録商標の無断使用が問題となる場面は、そう多くはありません。

 

すなわち、商標法は、商標を使用する専用権の範囲に入る行為ではないが、その範囲に他人が入り込む蓋然性の高い行為を捉えて侵害とみなし、その行為を禁止する権利を認めています(商標法37条1号)。

そのため、登録商標に類似する標章の使用も禁止することができるのです。

 

また、商標法は、侵害の予備的行為も侵害とみなして、その行為を禁止する権利を認めています(商標法37条2号等)。

 

したがって、実務上は、登録商標に類似するといえるか、が争われることがほとんどです。

 

なお、商標権侵害がなされた場合、商標権者等は、差止請求(商標法36条)、損害賠償請求(民法709条)、信用回復請求(商標法39条、特許法106条)等をすることが認められています。

 

以上のことから、何らかの標章を使用する際は、当該標章が登録されていないか、調べておいた方が無難です。

そして、類似か否かの判断は、専門家の間でも意見が分かれることも珍しくありません。できれば事前に専門家に相談しておくことをお勧めします。

また、自社のブランド戦略として、社名や商品名の商標権を取得する、ということも検討してみても良いと思います。

(弁護士 國安耕太)

 

*

商標の典型例は、マークですが、その他にも文字や色彩、音等も商標となりえます。

商標法2条1項

この法律で「商標」とは、人の知覚によつて認識することができるもののうち、文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音その他政令で定めるもの(以下「標章」という。)であつて、次に掲げるものをいう。

 

*第10回JSH交流会(ミニセミナー付き)を開催いたします。

『人事・総務・法務のための交流会』

開催日時:10月21 日(金)19~22時

場所:フレンチバル&レストランジェイズ

TEL 03-3365-0341

東京都新宿区歌舞伎町1-1-16 テイケイトレードビルB1

参加資格:人事、総務、法務担当者の方など(経営者、役員、管理職の方もご興味のある方ならOK)

定員:30名

会 費(飲食代込み):6000円

 

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