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先週まで、業務委託契約の締結にあたっては、偽装請負(違法派遣)や下請法の規制に注意が必要である、ということをお伝えしてきました。
では、具体的に、業務委託契約は、どのような法的性質を有しているのでしょうか。
通常、業務委託では、請負もしくは準委任、または双方の性質を有していることがほとんどです。
請負契約は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約するものとされています。
請負契約の目的は、仕事を完成することです。
完成しないと、報酬請求権は発生しません。
あくまでも、仕事の完成という結果が大事なのであって、その過程は問いません(もちろん、契約の内容になっていれば別ですが。)。
そのため、下請(再委託)は、自由に出来るのが原則です。
システム開発の業務委託や、ホームページ作成の業務委託等に適しています。
委任契約は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって成立するとされており(民法643条)、この規定は、法律行為でない事務の委託について準用されています(民法656条)。
準委任は、業務の遂行さえしていれば、報酬請求権が生じます。
ただし、業務の遂行にあたり善管注意義務を果たしていなければ、債務不履行責任が生じることがあります。
また、信頼関係に基づいているので復委任(再委託)は、原則として禁止です。
システムの保守管理業務委託等に適しています。
では、請負と準委任は、どのような基準で区別すればいいのでしょうか。
来週、具体的に見ていきましょう。
(弁護士 國安耕太)