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労務管理5

労働時間にあたるか否かは、使用者の指揮命令下におかれたといえるかどうか、すなわち、使用者から「義務付けられた」または「余儀なくされた」といえるかどうかによって判断されることになります。

 

では、たとえば、緊急事態が発生した際に対応するため、泊まり込みで待機しているような場合、当該待機時間(仮眠時間)は、労働時間にあたるのでしょうか。

 

この点について判例は、

「不活動時間において、労働者が実作業に従事していないというだけでは、使用者の指揮命令下から離脱しているということはできず、当該時間に労働者が労働から離れることを保障されていて初めて、労働者が使用者の指揮命令下に置かれていないものと評価することができる。」

としています(最判平成19.10.19民集61巻7号2555頁大林ファシリティーズ事件)

 

したがって、緊急事態が発生したとき以外は、部屋で待機していたり、寝ていたとしても、労働契約に基づく義務として、部屋での待機と緊急時には直ちに相当の対応をすることを義務付けられている以上は、労働時間にあたるといえるでしょう。

 

なお、労働時間にあたるか否かは、労働者が使用者の指示に従っていたかどうかには影響されません。

実際、タクシー運転手の客待ち時間に関する裁判例において、

会社が指定場所以外で30分を越える客待ち待機をしないように命令していたとしても、「その時間中には、被告の具体的指揮命令があれば、直ちに原告らはその命令に従わなければならず、また原告らは労働の提供ができる状態にあるのであるから、被告の明示又は黙示の指揮命令ないし指揮監督の下に置かれている時間であるというべき」

とされています(大分地判平成23.11.30労判1043号54頁中央タクシー事件)*。

(弁護士 國安耕太)

 

*

ただし、別途、指揮命令違反として、懲戒処分の対象とはなりえます。

 

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